開催趣意書

 昭和44年2月に発足いたしました北海道理学療法士会は、平成3年4月に北海道知事より社団法人の認可をいただき、昨年無事に創立35周年を迎えることができました。発足時わずか29名でありました会員数も、現在1,500名を超え近々2,000名にならんとする勢いでございます。これも一重に皆様の暖かいご支援の賜と厚く御礼申し上げます。
 今日理学療法への需要の高まりとともに、職業的には様々な場面で活躍の場が広がり、世間に認知されてきたことは喜ばしい限りでございます。このような社会情勢ゆえに、理学療法士といたしましても、理学療法とはどの様な職能かを世に示す必要性が問われている時代であると思います。自らの職種の柱が何か、を理学療法士自身が認識した上で、他職種との交流を積極的にはかり、結果として理学療法への理解を深めてもらう、そのような過程を経て初めてこの職種が社会的にも公益性のある事業を成し遂げることが可能になるものと信じております。
 そこで本学術大会の趣旨を、一.視野を広げて他分野から学ぶ、二.学んだことを臨床へ還元し自己研鑽の機会とする、三.様々な人に理学療法を知ってもらう、といたしました。主題は『バランスって?』といたしました。高齢化社会を迎え、健康増進のための筋力増強プログラムや転倒予防の必要性が高まっております。これらを実践していく前提として、「バランス」能力の問題をもう一度検討する必要があると考えます。一般的にもよく使われるこの「バランス」という言葉を理学療法ではどう捉えてきたのか、また他の領域ではどう認識しているのか、本学術大会にて多角的に再考したいと思っております。バランスに関しての教育研修講演を1題、特別講演を4題とし、うち1題は市民公開講座とする予定でおります。演題発表に関しましては、ポスター演題を増やし、会員相互の十分な討論の機会を増やし、自己研鑽をはかることを考えております。
 以上、前述した趣旨にそった様々な企画を考えておりますので、ぜひお越し頂き、ご教授いただければ幸いに存じます。今後とも社団法人北海道理学療法士会へのご支援・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

                  第55回北海道理学療法士会学術大会
                         大会長  朝野 裕一
                         副大会長 芳澤 昭仁
                        準備委員長 木津 伸也