ホーム > 主な活動>北海道三大学の医学生とキャリアを考える会(令和6年11月)

「北海道三大学の医学生とキャリアを考える会」
                   講演報告


2024年11月23日




テーマ:「人との対話、機械との調和 ~コーチング技術とAIから考える、これからの医療と働き方~」
本講演会は、札幌、旭川、Webをつなぐハイブリッド形式で開催された。

<講演内容>
1. 菅野恭子先生(旭川医科大学病院 皮膚科)
 ・テーマ:「医療者の対話術 コーチングのアプローチ」
 ・内容要約: コーチングとは、相手の内面からの気づきを促し行動変
  容を支援する手法で、聴く力、効果的な問いかけ、対話が重要。患
  者が語らない声にも耳を傾けること、一流の聴き方を学ぶには、自
  らも誰かに聴いてもらう経験が必要と説いた。
2. 藤田憲明先生(北海道大学病院 麻酔科)
 ・テーマ:「AIと医療の現実と未来」
 ・内容要約: 医療現場でのAI活用例(診断支援、手術管理など)を挙
  げ、効率化や負担軽減を説明。AIの課題(ハルシネーション、倫理
  問題)にも触れ、AIと人間の役割を明確にしつつ共存する準備の要
  性を強調。

<ディスカッションタイム>
 ・北海道における特徴: 地方ではAIの効率化活用が重要、都市部では
  専門性の高い医療に活用。
 ・キャリア形成: 診療科選択の自由度が増加。目標設定を共に行う他
  者の重要性。
 ・医療現場でのハラスメント: コミュニケーション不足が信頼欠如と
  ハラスメントを招く。公平なAI活用やポジティブフィードバックの
  指導が有効とされた。

<まとめ>
 ・AI技術の限界を理解しつつ、その利点を最大限に活かすこと、そし
  て変化に適応する能力が医療者に求められる。コーチングはコミュ
  ニケーションスキル向上に役立ち、AIと人間が共存する未来に向け
  て、それぞれの強みを活かせるよう努めることが重要であると結論
  づけられた。

             二輪草センター副センター長 菅野恭子