○旭川医科大学における臨床研究法に係る臨床研究取扱規程

平成31年1月9日

旭医大達第1号

(目的)

第1条 この規程は,臨床研究法(平成29年法律第16号。以下「法」という。)及び臨床研究法施行規則(平成30年厚生労働省令第17号。以下「省令」という。)に基づき,旭川医科大学(以下「本学」という。)における臨床研究に関する取り扱いについて,必要な事項を定めることを目的とする。

(定義)

第2条 この規程において用いる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるもののほか,法令の定めるところによる。

(1) 臨床研究 法第2条第1項に規定する臨床研究をいう。

(2) 特定臨床研究 法第2条第2項に規定する特定臨床研究をいう。

(3) 医薬品等 法第2条第3項に規定する医薬品等をいう。

(4) 医薬品等製造販売業者 法第2条第4項に規定する医薬品等製造販売業者をいう。

(5) 研究責任医師 省令第1条第2号に規定する研究責任医師をいう。

(6) 研究代表医師 省令第1条第4号に規定する研究代表医師をいう。

(7) 研究分担医師 省令第1条第5号に規定する研究分担医師をいう。

(8) モニタリング 省令第1条第6号に規定するモニタリングをいう。

(9) 監査 省令第1条第7号に規定する監査をいう。

(適用除外)

第3条 この規程は,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第80条の2第2項に規定する治験に該当するもの,その他法第2条第1項の省令で定めるものには適用しない。

(臨床研究実施基準の遵守)

第4条 臨床研究(特定臨床研究を除く。)を実施する者は,省令に定める臨床研究実施基準(以下「臨床研究実施基準」という。)に従ってこれを実施するよう努めなければならない。

2 特定臨床研究を実施する者は,臨床研究実施基準に従ってこれを実施しなければならない。

(特定臨床研究における実施計画)

第5条 特定臨床研究を実施する者は,特定臨床研究ごとに,法令で定める特定臨床研究の実施に関する計画(以下「実施計画」という。)を作成し,厚生労働大臣に提出しなければならない。

(実施計画の提出)

第6条 特定臨床研究を実施する者は,実施計画を厚生労働大臣に提出する場合においては,省令で定めるところにより,実施計画による特定臨床研究の実施の適否及び実施に当たって留意すべき事項について,認定臨床研究審査委員会の意見を聴かなければならない。

2 特定臨床研究を実施する者は,認定臨床研究審査委員会の審査を経て,実施計画を厚生労働大臣に提出する場合においては,あらかじめ,本学病院長(以下「病院長」という。)に研究実施の申請を行い,病院長の承認を受けなければならない。

(実施計画の変更)

第7条 前条の規定により実施計画を提出した者(以下「特定臨床研究実施者」という。)は,当該実施計画の変更をするときは,省令に定めるところにより,厚生労働大臣に提出しなければならない。

2 実施計画の変更について,厚生労働大臣に提出する場合には,当該特定臨床研究の実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会の意見を聴かなければならない。

3 実施計画について,省令で定める軽微な変更をしたときは,その変更の日から十日以内に,その内容を,当該実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に通知するとともに,厚生労働大臣に届け出なければならない。

4 特定臨床研究実施者は,実施計画の変更を厚生労働大臣に届け出た場合は,速やかに,病院長にその旨を報告しなければならない。

(実施計画の遵守)

第8条 特定臨床研究実施者は,第6条又は前条の規定により提出した実施計画に従って特定臨床研究を実施しなければならない。

(特定臨床研究の中止)

第9条 特定臨床研究実施者は,特定臨床研究を中止したときは,その中止の日から十日以内に,その旨を,当該特定臨床研究の実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に通知するとともに,厚生労働大臣に届け出なければならない。

2 特定臨床研究の中止については,第7条第4項の規定を準用する。

(特定臨床研究の対象者等の同意)

第10条 特定臨床研究を実施する者は,省令に定めるものを除き,当該特定臨床研究の対象者に対し,あらかじめ,当該特定臨床研究の目的及び内容並びにこれに用いる医薬品等の概要,当該医薬品等の製造販売をし,若しくはしようとする医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者から研究資金等の提供を受けて実施する場合においては法第32条に規定する契約の内容その他省令で定める事項について,省令で定めるところにより説明を行い,その同意を得なければならない。

(個人情報の保護)

第11条 特定臨床研究を実施する者は,当該特定臨床研究の対象者の個人情報(個人に関する情報であって,当該情報に含まれる氏名,生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより,特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。)の漏えい,滅失又は毀損の防止その他の個人情報の適切な管理のために必要な措置を講じなければならない。

(秘密保持義務)

第12条 特定臨床研究に従事する者又は特定臨床研究に従事する者であった者は,正当な理由がなく,特定臨床研究の実施に関して知り得た当該特定臨床研究の対象者の秘密を漏らしてはならない。

(特定臨床研究に関する記録)

第13条 特定臨床研究を実施する者は,当該特定臨床研究の対象者ごとに,医薬品等を用いた日時及び場所その他省令で定める事項に関する記録を作成し,省令で定めるところにより,これを保存しなければならない。

(認定臨床研究審査委員会への報告)

第14条 特定臨床研究実施者は,特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病,障害若しくは死亡又は感染症(以下「疾病等」という。)の発生を知ったときは,省令で定めるところにより,その旨を当該特定臨床研究の実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に報告しなければならない。

2 前項の規定により報告を受けた認定臨床研究審査委員会が特定臨床研究実施者に対し意見を述べたときは,当該特定臨床研究実施者は,当該意見を尊重して必要な措置をとらなければならない。

(厚生労働大臣への報告)

第15条 特定臨床研究実施者は,特定臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病等の発生に関する事項で省令で定めるものを知ったときは,省令で定めるところにより,その旨を厚生労働大臣に報告しなければならない。

(認定臨床研究審査委員会への定期報告)

第16条 特定臨床研究実施者は,省令で定めるところにより,定期的に,特定臨床研究の実施状況について,当該特定臨床研究の実施計画に記載されている認定臨床研究審査委員会に報告しなければならない。

2 前項の規定により報告を受けた認定臨床研究審査委員会が特定臨床研究実施者に対し意見を述べたときは,当該特定臨床研究実施者は,当該意見を尊重して必要な措置をとらなければならない。

(厚生労働大臣への定期報告)

第17条 特定臨床研究実施者は,省令で定めるところにより,定期的に,特定臨床研究の実施状況について,厚生労働大臣に報告しなければならない。

(特定臨床研究以外の臨床研究を実施する者が講ずべき措置)

第18条 臨床研究(特定臨床研究を除く。)を実施する者は,実施計画を作成するほか,当該計画を作成し,又は変更する場合においては,認定臨床研究審査委員会の意見を聴くよう努めるとともに,第8条及び第10条から第13条までの規定に準じて,必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(研究責任医師,研究分担医師の責務)

第19条 研究責任医師及び研究分担医師は,臨床研究の対象となる疾患及び当該疾患に関連する分野について,十分な科学的知見並びに医療に関する経験及び知識を有し,かつ,臨床研究に関する倫理に配慮して当該臨床研究を適正に実施するための十分な教育及び訓練を受けていなければならない。

2 研究責任医師は,臨床研究を実施する場合には,その安全性及び妥当性について,科学的文献その他の関連する情報又は十分な実験の結果に基づき,倫理的及び科学的観点から十分検討しなければならない。

3 研究責任医師及び研究分担医師は,研究計画書及び省令(以下「研究計画書等」という。)に基づき臨床研究を行わなければならない。

4 研究責任医師は,臨床研究が研究計画書等に従い,適正に実施されていることを随時確認するとともに,必要に応じて,臨床研究の中止又は研究計画書の変更その他の臨床研究の適正な実施を確保するために必要な措置を講じなければならない。

5 研究責任医師は,臨床研究に関する業務の一部を委託する場合には,委託を受けた者が遵守すべき事項について,委託契約の内容を確認するとともに,委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならない。

(病院長等の責務)

第20条 病院長は,臨床研究が研究計画書等に従い,適正に実施されていることを随時確認するとともに,必要に応じて,臨床研究の適正な実施を確保するために必要な措置をとらなければならない。

2 病院長は,前項の確認のため,研究責任医師に対し,資料の提出その他の必要な協力を求めることができる。

3 研究責任医師は,病院長の求めに応じ,資料の提出その他の必要な協力を行わなければならない。

(多施設共同研究)

第21条 臨床研究を多施設共同研究として実施する研究責任医師は,当該多施設共同研究として実施する臨床研究に係る業務を代表するため,当該研究責任医師の中から,研究代表医師を選任しなければならない。

2 臨床研究を多施設共同研究として実施する研究責任医師は,他の研究責任医師に対し,当該多施設共同研究に関連する必要な情報を共有しなければならない。

(研究計画書)

第22条 研究責任医師は,次に掲げる事項を記載した研究計画書を作成しなければならない。

1 臨床研究の実施体制に関する事項

2 臨床研究の背景に関する事項(当該臨床研究に用いる医薬品等の概要に関する事項を含む。)

3 臨床研究の目的に関する事項

4 臨床研究の内容に関する事項

5 臨床研究の対象者の選択及び除外並びに臨床研究の中止に関する基準

6 臨床研究の対象者に対する治療に関する事項

7 有効性の評価に関する事項

8 安全性の評価に関する事項

9 統計的な解析に関する事項

10 原資料等(臨床研究により得られたデータその他の記録であって,法第32条の規定により締結した契約の内容を含む。以下同じ。)の閲覧に関する事項

11 品質管理及び品質保証に関する事項

12 倫理的な配慮に関する事項

13 記録(データを含む。)の取扱い及び保存に関する事項

14 臨床研究の実施に係る金銭の支払及び補償に関する事項

15 臨床研究に関する情報の公表に関する事項

16 臨床研究の実施期間

17 臨床研究の対象者に対する説明及びその同意(これらに用いる様式を含む。)に関する事項

18 前各号に掲げるもののほか,臨床研究の適正な実施のために必要な事項

(モニタリング)

第23条 研究責任医師は,研究計画書ごとにモニタリングに関する一の手順書を作成し,当該手順書及び研究計画書に定めるところにより,モニタリングを実施させなければならない。

2 研究責任医師が指名するモニタリング担当者は,当該モニタリングの対象となる実施医療機関において,当該臨床研究に関与するものであってはならない。

3 研究責任医師は,本学に所属する職員及び大学院学生をモニタリング担当者として従事させる場合は「旭川医科大学病院 臨床研究法に係る臨床研究の実施におけるモニタリングに関する標準業務手順書」に従って適切に実施しなくてはならない。

4 モニタリングに従事する者は,当該モニタリングの結果を研究責任医師に報告しなければならない。

5 前項の報告を受けた研究責任医師は,臨床研究を多施設共同研究として実施する場合は,必要に応じ,当該報告の内容を研究代表医師に通知しなければならない。この場合において,当該研究代表医師は,当該通知の内容を他の研究責任医師に情報提供しなければならない。

(監査)

第24条 研究責任医師は,必要に応じて,研究計画書ごとに監査に関する一の手順書を作成し,当該手順書及び研究計画書に定めるところにより,監査を実施させなければならない。

2 研究責任医師が指名する監査担当者は,当該監査の対象となる実施医療機関において,当該臨床研究に関与する者及びそのモニタリングに従事する者であってはならない。

3 研究責任医師は,本学に所属する職員及び大学院学生を監査担当者として従事させる場合は「旭川医科大学病院 臨床研究法に係る臨床研究の実施における監査に関する標準業務手順書」に従って適切に実施しなくてはならない。

4 監査に従事する者は,当該監査の結果を研究責任医師に報告しなければならない。

5 前条第5項の規定は,臨床研究を多施設共同研究として実施する場合において,前項の報告を受けた研究責任医師について準用する。

(研究対象者に対する補償)

第25条 研究責任医師は,臨床研究を実施するに当たっては,あらかじめ,当該臨床研究の実施に伴い生じた健康被害の補償及び医療の提供のために,保険への加入,医療を提供する体制の確保その他の必要な措置を講じておかなければならない。

(利益相反管理計画の作成等)

第26条 研究責任医師は,次に掲げる関与についての適切な取扱いの基準(以下「利益相反管理基準」という。)を定めなければならない。

(1) 当該研究責任医師が実施する臨床研究に対する医薬品等製造販売業者等(医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者をいう。以下同じ。)による研究資金等の提供その他の関与

(2) 当該研究責任医師が実施する臨床研究に従事する者(当該研究責任医師,研究分担医師及び統計的な解析を行うことに責任を有する者に限る。)及び研究計画書に記載されている者であって,当該臨床研究を実施することによって利益を得ることが明白な者に対する当該臨床研究に用いる医薬品等の製造販売をし,若しくはしようとする医薬品等製造販売業者又はその特殊関係者による寄附金,原稿執筆及び講演その他の業務に対する報酬の提供その他の関与

2 実施医療機関の管理者又は所属機関の長は,前項の関与が確認された場合には,利益相反管理基準の確認及び当該利益相反管理基準に基づく前項の関与の事実関係についての確認を行い,当該確認の結果(助言,勧告その他の措置が必要な場合にあっては,当該措置の内容を含む。)を記載した報告書を研究責任医師に提出しなければならない。

3 研究責任医師は,前項に規定する報告書の内容も踏まえ,第1項の関与についての適切な取扱いの方法を具体的に定めた計画(前項の報告書に助言,勧告その他の措置が記載されている場合にあっては,その内容を含む。以下「利益相反管理計画」という。)を作成しなければならない。

4 特定臨床研究を実施する研究責任医師は,利益相反管理基準及び利益相反管理計画について,認定臨床研究審査委員会の意見を聴かなければならない。

5 研究責任医師は,第1項の関与について,利益相反管理基準及び利益相反管理計画に基づき,適切な管理を行わなければならない。

6 第1項及び第4項の規定は,臨床研究を多施設共同研究として実施する場合について準用する。この場合において,第1項及び第4項中「研究責任医師は」とあるのは「研究代表医師は」と,第1項中「当該研究責任医師,」とあるのは「当該研究代表医師,他の研究責任医師,」と読み替えるものとする。

7 研究代表医師は,第1項(前項の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定により利益相反管理基準を定めたときは,これを他の研究責任医師に通知しなければならない。

(事務)

第27条 臨床研究に係る業務に関する事務は,臨床研究支援センター及び研究支援課が行うものとする。

(雑則)

第28条 この規程に定めるもののほか,臨床研究に関し必要な事項は,別に定める。

この規程は,平成31年1月9日から施行する。

旭川医科大学における臨床研究法に係る臨床研究取扱規程

平成31年1月9日 旭医大達第1号

(平成31年1月9日施行)

体系情報
第3章 学術助成
沿革情報
平成31年1月9日 旭医大達第1号