○旭川医科大学における研究活動の不正行為及び公的研究費の不正使用に関する取扱規程

平成19年10月10日

旭医大達第68号

(趣旨)

第1条 この規程は,旭川医科大学(以下「本学」という。)における「旭川医科大学の学術研究に係る行動規範(平成19年10月10日教育研究評議会)」及び「旭川医科大学の公的研究費の使用に関する行動規範(平成27年2月10日教育研究評議会)」に反した研究活動の不正行為の疑いが指摘された場合,又は不正行為が生じた場合における取扱いに関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この規程において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号の定めるところによる。

(1) 研究活動 先人達が行った研究の諸業績を踏まえた上で,観察や実験等によって知り得た事実やデータを素材としつつ,自らの省察・発想・アイディア等に基づく新たな知見を創造し,知の体系を構築していく行為であり,研究の立案・計画・実施・成果の取りまとめの各過程を経て行われる全ての行為及び結果をいう。

(2) 不正行為 本学において研究に直接的及び間接的に関わる全ての者(以下「研究者等」という。)が,故意に行った又は研究者等としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる,次に掲げる行為をいう。

 捏造 存在しないデータ,研究結果等を作成すること。

 改ざん 研究資料・機器・過程を変更する操作を行い,データ,研究活動によって得られた結果等を真正でないものに加工すること。

 盗用 他の研究者のアイディア,分析・解析方法,データ,研究結果,論文又は用語を当該研究者の了解若しくは適切な表示がなく流用すること。

 二重投稿 他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿すること。

 不適切オーサーシップ 論文著作者が適切に公表されないこと(著者としての資格を有しない者を著者として含める行為又は著者としての資格を有する者を除外するなどの行為)

 不正使用 研究活動において,研究資金の使用ルール上禁じられている形で,他の目的に流用あるいはプールするなど,本来使用されるべきものとは異なる費用に研究費を使用すること。

(3) 特定不正行為 前項イ,及びに規定する行為をいう。

(4) 構成員 本学の公的研究費の使用に関わる役職員及び研究活動に関係する者をいう。

(学長の責務)

第3条 学長は,「旭川医科大学の研究活動における不正行為防止及び公的研究費の管理・運営体制に関する規程(平成27年旭医大達第18号)(以下「管理・運営体制に関する規程」という。)に定める最高管理責任者としての以下の責務を負う。

(1) 不正行為防止対策の基本方針を策定及び周知するとともに,それらを実施するための必要な措置を講じること。

(2) 統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者が責任を持って研究活動の不正行為防止及び公的研究費の管理運営が行えるよう,適切なリーダーシップを発揮すること。

(副学長の責務)

第4条 研究を担当する副学長は,管理・運営体制に関する規程に定める統括管理責任者として以下の責務を負う。

(1) 不正行為防止対策体制を統括する責任者として,基本方針に基づき,機関全体の具体的な対策を策定・実施し,コンプライアンス推進責任者に対して,実施状況を確認し,最高管理責任者に報告すること。

(2) 研究倫理教育及びコンプライアンス教育を企画及び実施する責任者として,コンプライアンス推進責任者が各部署の研究活動の不正行為及び公的研究費の不正使用を防止するための環境醸成に務めること。

(3) 研究者等に研究者倫理に関する教育を定期的に行うこと。

(コンプライアンス推進責任者の責務)

第5条 コンプライアンス推進責任者は,管理・運営体制に関する規程に定める統括管理責任者の指示の下次に掲げる責務を負う。

(1) 自己の管理監督又は指導する部署等におけるコンプライアンスの対策の実施及び実施状況の確認並びに実施状況を統括管理責任者に報告すること。

(2) 不正行為防止を図るため,研究倫理教育,コンプライアンス教育を推進し,受講状況を管理監督すること。

(3) 自己の管理監督又は指導する部署等において,構成員が,適切に公的研究費の管理及び執行を行っているか等を事務部門と連携したモニタリングを行い,必要に応じて改善を指導すること。

(構成員の責務)

第6条 構成員は,次に掲げる責務を負う。

(1) 公的研究費の使用において法令及び関係規則を遵守し不正行為を行わないこと。

(2) 学長に前号について約する誓約書を提出すること。

(3) 不正行為防止のための,研究倫理教育及びコンプライアンス教育を受講するとともに,本学における不正行為防止環境の醸成に努めること。

(研究データの保存及び開示)

第7条 研究活動に関わる全ての役職員等は,論文等の形で発表された研究成果の基となった研究データを一定期間保存し,必要な場合に開示しなければならない。

2 保存又は開示する研究データの内容,保存期間,保存方法,開示方法等については,データの性質や研究分野の特性を踏まえ,最高管理責任者が別に定める。

(告発等受付窓口)

第8条 不正行為の告発,相談等(以下「告発等」という。)に対応するため,内部受付窓口(以下「内部窓口」という。)として研究支援課及び外部受付窓口(以下「外部窓口」という。)として業務委託した法律事務所に不正行為の告発等受付窓口(以下「窓口」という。)を設置する。

2 告発等の受付を行う者は,自己との利害関係を持つ事案に関与してはならない。

(不正行為の告発等)

第9条 不正行為の告発等は,原則として告発者の氏名等を明らかにして行うものとし,不正行為を行ったとする研究者等の氏名又は研究グループ名,不正行為の態様等,事案の内容を明示した上で,窓口に対し書面,電話,ファクシミリ,電子メール,面談等で,直接行わなければならない。

2 前項による告発等があった場合,窓口は例外なく告発等を受け付けるものとする。

3 匿名による告発等があった場合,告発等の内容に応じ,告発者の氏名等を明らかにした告発等に準じた取扱いをすることができる。

4 告発等を受け付ける場合,個室で面談したり,電話や電子メールなどを窓口の担当職員以外は見聞できないようにするなど,告発内容や告発者の秘密を守るための配慮を行わなければならない。

5 告発の意思を明示しない相談については,その内容に応じ,告発に準じてその内容を確認及び精査し,相当の理由があると認めた場合には,相談者に対して告発の意思があるか否かを確認するものとする。確認の結果,告発の意思表示がなされない場合であっても,不正行為の疑義がある場合は,匿名の告発があったものとして,その事案の調査を開始するものとする。

6 不正行為が行われようとしている場合又は不正行為を求められているという告発等があった場合については,その内容を確認及び精査し,相当の理由があると認めたときは,被告発者に警告を行うものとする。ただし,本学に所属しない被告発者に警告を行った場合は,被告発者の所属する研究機関に警告の内容等について通知するものとする。

7 被告発者の所属する研究機関が本学でない場合には,被告発者の所属する研究機関に事案を移送することができる。

8 窓口で受け付けた告発等の告発者及び被告発者の氏名等並びに告発内容及び調査内容について,調査結果の公表まで,告発者及び被告発者の意に反して調査関係者以外に漏えいしないよう,関係者の秘密保持を徹底するものとする。

9 報道や学会等の研究者コミュニティにより不正行為の疑いが指摘された場合は,匿名の告発があったものとして取り扱うものとする。

10 不正行為の疑いがインターネット上に掲載されている(不正行為を行ったとする研究者等の氏名又は研究グループ名,不正行為の態様等,事案の内容が明示されている場合に限る。)ことを確認した場合には,匿名の告発があった場合に準じて取り扱うものとする。

11 外部窓口が受け付けた告発等は,内部窓口に回送するものとする。ただし,告発者が匿名を希望する場合は,匿名化した上で内部窓口に回送するものとする。

12 内部窓口は,告発を受け付けたときは,速やかに学長に報告するとともに,その旨を当該告発者に通知するものとする。なお,匿名化した上で内部窓口に回送された告発に関して告発者に通知するときは,外部窓口を通して告発者へ通知するものとする。

(告発者・被告発者の取扱い)

第10条 学長は悪意(被告発者を陥れるため,又は被告発者が行う研究を妨害するためなど,専ら被告発者に何らかの損害を与えることや被告発者が所属する機関・組織等に不利益を与えることを目的とする意思。以下同じ。)に基づく告発であることが判明しない限り,単に告発したことを理由に,告発者に対し,解雇,降格,減給その他不利益な取扱いをしてはならない。

2 学長は相当な理由なしに,単に告発がなされたことのみをもって,被告発者の研究活動を部分的又は全面的に禁止したり,解雇,降格,減給その他不利益な取扱いをしてはならない。

(事案関与の制限)

第11条 告発者及び被告発者を含む調査対象者は,予備調査,本調査,その他当該事案の処理に関与することができない。

2 前項の者と直接の利害関係を有する者は,予備調査,本調査,その他当該事案の処理に関与することができない。

3 学長が第1項及び第2項に該当する場合には,研究を担当する副学長がその任務を代行する。

4 研究を担当する副学長が第1項及び第2項に該当する場合には,研究を担当する副学長以外で学長が指名する副学長がその任務を代行する。

(予備調査)

第12条 学長は,告発があった場合には,本格的な調査を実施すべきか否かを判断するため,研究を担当する副学長に通知し,速やかに不正行為予備調査委員会(以下「予備調査委員会」という。)を設置して予備調査を実施させるものとする。

2 予備調査委員会は,次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 研究を担当する副学長

(2) 委員長が指名する教員 若干人

(3) その他委員長が必要と認めた者

3 委員会に委員長を置き,研究を担当する副学長をもって充てる。

4 第2項の委員は,学長が委嘱する。

5 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。

6 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長が指名した委員がその職務を代行する。

7 予備調査委員会は,告発の内容の合理性及び調査可能性等について調査するものとする。

8 予備調査委員会は,告発を受けてから速やかに,前項に掲げた項目についての調査を終了し,当該調査の結果を学長に報告しなければならない。

9 予備調査に係る資料等は保存し,その事案に係る公的研究費の配分機関(以下「配分機関」という。),文部科学省及び告発者の求めに応じ開示するものとする。

(本調査)

第13条 学長は,前条の報告を受けた後,告発を受けてから30日以内に本調査を行うか否かを決定するものとする。特定不正行為の本調査を行うことが決定した場合は,特定不正行為の本調査の実施について配分機関及び文部科学省に報告するものとし,不正使用については,本調査の要否を配分機関に報告するものとする。

2 学長は,前条の予備調査の結果,本調査を行うことを決定した場合は,速やかに告発者及び被告発者に通知するとともに,決定後概ね30日以内に不正行為に関する調査委員会(以下「調査委員会」という。)を設置し,当該調査を行うものとする。

3 前項の通知は,被告発者が本学以外の機関に所属している場合は,その所属機関に通知するものとする。

4 告発された事案の調査に当たっては,告発者が了承したときを除き,調査機関以外の者や被告発者に告発者が特定されないよう周到に配慮するものとする。

5 学長は,予備調査の結果,本調査を行わないことを決定した場合は,理由とともに告発者に通知するものとする。

6 学長は,不正使用にかかる本調査の実施に際し,調査方針,調査対象及び方法等について配分機関に報告,協議するものとする。

(14条委員会)

第14条 不正行為(不正使用は除く。本条及び第16条で同じ。)にかかる調査委員会(以下「14条委員会」という。)は,次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 研究を担当する副学長

(2) 教育研究評議会の評議員のうちから学長が指名する者 2人

(3) 学外の学識経験者

(4) 事務局長

(5) その他委員長が必要と認めた者

2 前項第2号第3号及び第5号の委員は,学長が委嘱する。

3 14条委員会に委員長を置き,研究を担当する副学長をもって充てる。

4 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。

5 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長が指名した委員がその職務を代行する。

6 14条委員会は,委員の半数以上が出席し,かつ,第1項第3号の委員1人以上が出席しなければ,議事を開くことができない。

7 14条委員会が必要と認めたときは,委員会に委員以外の者の出席を求め,説明又は意見を聴くことができる。

8 第1項第3号に掲げる委員の数は,14条委員会委員の総数の2分の1以上でなければならない。

9 14条委員会を設置した際には,委員の氏名や所属を告発者及び被告発者に通知するものとする。

10 告発者及び被告発者は,前項の通知を受けてから7日以内に,学長に対して窓口を通じて,14条委員会の構成等に関する異議を申し立てることができる。なお,外部窓口に異議申立てがあった場合は,内部窓口に回送するものとする。

11 学長は,告発者及び被告発者から前項の異議申立てがあった場合には,内容を審査し,その内容が妥当であると判断したときは,当該異議申立てに係る委員を交代させるとともに,その旨を告発者及び被告発者に通知するものとする。

(15条委員会)

第15条 不正使用に係る調査委員会(以下「15条委員会」という。)は,次に掲げる委員をもって組織する。

(1) 研究を担当する副学長

(2) 教育研究評議会の評議員のうちから学長が指名する者 2人

(3) 学外の学識経験者(弁護士,公認会計士等) 2人

(4) 事務局長

(5) その他委員長が必要と認めた者

2 前項第2号第3号及び第5号の委員は,学長が委嘱する。

3 15条委員会に委員長を置き,研究を担当する副学長をもって充てる。

4 委員長は,委員会を招集し,その議長となる。

5 委員長に事故があるときは,あらかじめ委員長が指名した委員がその職務を代行する。

6 15条委員会は,委員の半数以上が出席し,かつ,第1項第3号の委員1人以上が出席しなければ,議事を開くことができない。

7 15条委員会が必要と認めたときは,15条委員会に委員以外の者の出席を求め,説明又は意見を聴くことができる。

(14条委員会による調査及び報告)

第16条 14条委員会は,被告発者が行う説明を受けるとともに,調査によって得られた,物的・科学的証拠,証言,被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して,不正行為が行われたか否か,不正行為の内容,関与した者とその関与の度合い,不正行為と認定された研究活動に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究活動における役割の認定を行うものとする。

2 14条委員会は,被告発者の研究に係る論文や生データ,実験・観察ノート,実験試料・試薬等及び各種資料について保全する措置を講ずることができる。また,当該資料の精査や,関係者のヒアリング及び第三者の立ち合いの下での再実験の要請を行うことができる。

3 14条委員会は,旭川医科大学における研究データ等の保存期間等に関する細則(平成28年3月学長裁定)第5条で定める本来保存すべき期間内の実験ノート,データその他の資料が存在しないことその他これに類する理由により,被告発者が不正行為の疑いを覆すことができない場合についても,不正行為が行われたと認定することができる。ただし,被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず,その責によらない理由により,十分な証拠を示すことができなくなった場合であって,調査委員会が相当な理由があると認めた場合は,この限りでない。

4 14条委員会は,告発された事案に係る研究活動が行われた研究機関が本学でないときは,当該研究機関に証拠資料等を保全する措置を講ずるよう依頼するものとする。また,学長は,本学が依頼を受けた場合には,証拠資料等を保全する措置を講ずるものとする。

5 学長は,第2項及び第4項の措置に影響しない範囲内であれば被告発者の研究活動を制限してはならない。

6 不正行為が行われなかったと認定される場合であって,調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは,14条委員会は,併せてその旨の認定を行うものとする。この認定を行うに当たっては,告発者に弁明の機会を与えなければならない。

7 14条委員会は,調査開始後,概ね150日以内に調査した内容をとりまとめ,当該調査の結果を学長に報告しなければならない。

8 学長は,前項の報告を受けた後,調査結果を速やかに告発者及び被告発者に通知するとともに,その事案に係る配分機関及び文部科学省に報告するものとする。

9 前項の通知は,被告発者が本学以外の機関に所属している場合は,その所属機関に通知するものとする。

10 学長は,期限までに14条委員会の調査が完了しない場合であっても,文部科学省又は配分機関の求めに応じ,調査の進捗状況報告及び調査の中間報告を行うものとする。

(15条委員会による調査及び報告)

第17条 15条委員会は,不正の有無及び不正の内容,関与した者及びその関与の程度,不正使用の相当額等について認定するものとする。

2 15条委員会は,告発された事案に係る研究活動が行われた研究機関が本学でないときは,当該研究機関に証拠資料等を保全する措置を講ずるよう依頼するものとする。また,学長は,本学が依頼を受けた場合には,証拠資料等を保全する措置を講ずるものとする。

3 学長は,前項の措置に影響しない範囲内であれば被告発者の研究活動を制限してはならない。

4 不正行為が行われなかったと認定される場合であって,調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは,15条委員会は,併せてその旨の認定を行うものとする。この認定を行うに当たっては,告発者に弁明の機会を与えなければならない。

5 15条委員会は,調査した内容をとりまとめ,当該調査の結果を学長に報告しなければならない。

6 学長は,前項の報告を受けた後,告発の受付から210日以内に,15条委員会で審議した調査結果,不正発生要因,不正に関与した者が関わる他の公的研究費等における管理・監査体制の状況,再発防止計画等を含む最終報告書を配分機関に提出するものとする。また,調査結果を速やかに告発者及び被告発者に通知するものとする。

7 前項の通知を行う場合で,被告発者への通知については,被告発者が本学以外の機関に所属している場合は,その所属機関に通知するものとする。

8 学長は,15条委員会調査の過程であっても,不正の事実が一部でも確認された場合には,速やかに認定し,配分機関に報告するものとする。

9 学長は,配分機関の求めに応じ,15条委員会調査の終了前であっても,調査の進捗状況報告及び調査の中間報告を行うものとする。

10 学長は,配分機関の求めに応じ,15条委員会調査に支障がある等正当な事由がある場合を除き,事実に係る資料の提出又は閲覧及び現地調査に応じるものとする。

(調査における研究又は技術上の情報の保護)

第18条 14条委員会は,本調査の実施に当たっては,告発された事案に係る研究活動の公表前のデータ,論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が本調査の実施に必要な範囲外に漏えいすることのないよう十分配慮するものとする。

(不服申立て)

第19条 第13条第2項の調査の結果,不正行為が行われたと認定された被告発者(以下「不正認定者」という。)又は,悪意に基づく告発と認定された告発者(以下「悪意告発認定者」という。)は,調査の結果に不服がある場合は,第16条第8項及び第17条第6項に定める通知を受けた日から起算して14日以内に,学長に対して窓口を通じて不服を申立てることができる。なお,外部窓口に不服申立てがあった場合は,内部窓口に回送するものとする。

2 学長は,不正行為について被告発者から前項の不服申立てがあったときは,告発者に通知するものとする。また,悪意告発認定者からの不服申立てがあった場合には,被告発者に通知するとともに,悪意告発認定者が学外者の場合には,当該者の所属する機関に通知するものとする。この場合において,学長は,特定不正行為にあっては配分機関及び文部科学省に報告するものとし,不正使用にあっては配分機関に報告するものとする。また,不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときも同様とする。

(再調査)

第20条 学長は,前条の申立てを受けた後,速やかに当該不服申立てに係る認定についての再調査を調査委員会に行わせるものとする。ただし,学長が,当該不服申立ての趣旨が,調査委員会の構成等その公正性に関わるものであると認める場合には,調査委員会の構成を変更することができる。

2 調査委員会は,不正認定者又は悪意告発認定者に対し,第13条第2項の調査の結果を覆すに足る資料の提出等を求めることができる。この場合,協力が得られない場合は,再調査を打ち切ることができる。

3 調査委員会は,再調査開始後,不正認定者からの不服申立ての場合は概ね50日以内に,悪意告発認定者からの不服申立ての場合は概ね30日以内に,第13条第2項の調査の結果を覆すか否かを決定し,当該調査の結果を学長に報告しなければならない。

4 学長は,前項の報告を受けた後,調査結果を不正認定者からの不服申立ての場合は告発者,被告発者及び被告発者が学外者の場合には所属する機関に,悪意告発認定者からの不服申立ての場合は,告発者,被告発者及び告発者が学外者の場合には所属する機関に速やかに通知するものとする。また,学長は特定不正行為又は不正使用にあっては配分機関及び文部科学省に調査結果を報告するものとし,不正使用にあっては配分機関に報告するものとする。

5 学長は,前条の申立てについて,再調査を行うまでもなく,却下すべきものと決定した場合は,速やかに不服を申立てた者に通知するものとする。

(調査結果の公表)

第21条 学長は,調査委員会において特定不正行為又は不正使用が行われたと認定したときは,速やかに調査結果について次の各号に掲げる事項を公表する。ただし,告発等がなされる前に取り下げられた論文等において特定不正行為又は不正使用があったと認定されたときは,当該行為に係る者の氏名・所属を公表しないことができる。

(1) 不正行為に関与した者の氏名・所属

(2) 不正行為の内容

(3) 不正行為が行われたと判断した根拠

(4) 公表時までに行った措置の内容

(5) 調査委員会委員の氏名・所属

(6) 調査の方法・手順等

(7) その他,学長が必要と認めた事項

2 学長は,調査委員会において不正行為が行われなかったと認定された場合は,原則として調査結果を公表しない。ただし,調査事案が外部に漏えいしていた場合及び論文等に故意によるものでない誤りがあった場合には,調査結果を公表することとし,また,悪意に基づく告発の認定があったときは,告発者の氏名・所属を公表するものとする。この場合において,悪意告発認定者が学外者の場合には,当該者の所属する機関に通知するものとする。

(不正認定者の処分)

第22条 学長は,本学職員である不正認定者及び関与したとまでは認定されないが,不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者(以下「責任を負う者」という。)として認定された著者に対し,当該職員に適用される就業規則に基づき,懲戒処分等を課すとともに,不正行為と認定された論文の取下げ等の適切な対応を勧告するものとする。

2 研究を担当する副学長は,学長が不正認定者及び責任を負う者として認定された場合には,学長選考・監察会議に報告し,学長選考・監察会議は,その処遇について検討するものとし,学長以外の役員が不正認定者及び責任を負う者として認定された場合には,学長に報告し,学長はその処遇について検討するものとする。この場合において,不正行為と認定された論文の取扱いについては,前項の規定を準用する。

(悪意告発認定者の処分)

第23条 学長は,悪意告発認定者に対し,前条に準じて必要な措置を講じるものとする。

(本調査中における一時的措置)

第24条 学長は,本調査の調査開始から報告を受けるまでの間,研究機器等の維持にかかる経費を除き,告発の対象となった研究費の使用を停止することができる。

(研究費の使用中止)

第25条 学長は,不正認定者に対して,研究機器等の維持に係る経費を除き,告発の対象となった研究費の使用中止を命ずることができる。

(不利益取扱いの禁止)

第26条 研究者等は,不正行為に関する告発者又は告発に基づいて行われる予備調査及び本調査に協力した者に対して,不利益な取扱いをしてはならない。

(秘密の保持)

第27条 不正行為に関する告発等に携わった者は,関係者の名誉,プライバシーその他の人権を尊重するとともに,知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

(庶務)

第28条 予備調査委員会,調査委員会及び不正行為が生じた場合における措置等に関する庶務は,研究支援課が関係部課等の協力を得て処理する。

(雑則)

第29条 この規程に定めるもののほか,不正行為に関し必要な事項は,学長が別に定める。

この規程は,平成19年10月10日から施行する。

(平成23年6月22日旭医大達第143号)

この規程は,平成23年6月22日から施行する。

(平成26年10月30日旭医大達第48号)

この規程は,平成26年10月30日から施行し,改正後の第5条及び第19条の規定は,平成26年4月1日から適用する。

(平成27年2月10日旭医大達第17号)

この規程は,平成27年2月10日から施行する。

(平成27年11月11日旭医大達第68号)

この規程は,平成27年11月11日から施行する。

(令和3年9月3日旭医大達第146号)

この規程は,令和3年9月3日から施行し,令和3年4月1日から適用する。

(令和3年12月8日旭医大達第179号)

この規程は,令和3年12月8日から施行する。

(令和4年6月2日旭医大達第67号)

この規程は,令和4年6月2日から施行する。

(令和4年9月12日旭医大達第92号)

この規程は,令和4年9月12日から施行し,改正後の第22条第2項の規定は,令和4年4月1日から適用する。

(令和5年1月12日旭医大達第1号)

この規程は,令和5年1月12日から施行する。

旭川医科大学における研究活動の不正行為及び公的研究費の不正使用に関する取扱規程

平成19年10月10日 旭医大達第68号

(令和5年1月12日施行)

体系情報
第3章 学術助成
沿革情報
平成19年10月10日 旭医大達第68号
平成23年6月22日 旭医大達第143号
平成26年10月30日 旭医大達第48号
平成27年2月10日 旭医大達第17号
平成27年11月11日 旭医大達第68号
令和3年9月3日 旭医大達第146号
令和3年12月8日 旭医大達第179号
令和4年6月2日 旭医大達第67号
令和4年9月12日 旭医大達第92号
令和5年1月12日 旭医大達第1号