ニュースレター
(2022年1月発行)

ニュースレター「CSC通信」。
3ヵ月に一度程度のペースで発行しています。

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利用上の注意
臨床シミュレーションセンターをご利用頂くに当たり、注意事項をまとめました。ご一読願います。




CSCスタッフ
・センター長:本間大
(国際医療支援センター 教授)
・事務員:津野友花
・看護師:九鬼智子・平塚志保


「レサシアンシミュレータPLUS」教育サービス研修会(2018.5.26)

2018年5月26日(土)、レールダル社による「レサシアンシミュレータPLUS」に付随する教育サービスの研修会が行われました。
少人数体制の研修で、救急科の医師や看護師、看護学科の教職員の方々がご参加くださいました。

レサシアンシミュレータPLUS



イントロダクション

今回の研修会は、本来は座学を含めた約6時間の1日がかりのコースですが、此方の都合もあり、午前の部と午後の部それぞれ3時間ずつの短縮コースにして頂きました。(座学を割愛。)

コース内容は、

 ①イントロダクション
 ②レサシアンシミュレータの構成と機能
 ③SimPad操作の実践
 ④SimPadプログラミング(テーマエディタ)
 ⑤シナリオを用いた教育

となっており、最終的な目標は、シミュレーション演習の概要を理解すること、SimPadの操作ができること、シミュレータの機能がわかること、受講後に既に入っているシナリオを操作できることでした。



今回の研修会で講師を務めて下さったのは、レールダル社の亀岡正二さん。
亀岡さんは元々は看護師で、救急科やICUなどに所属されていたそうです。
現在はレールダル社で教育ソリューションスペシャリストとして、今回のような講習会を全国各地で開催し、インストラクターを務めていらっしゃいます。

シミュレータの構成と機能

ご挨拶や研修会の説明もそこそこに、早速シミュレータを用いた研修会がスタートします。
まずは「レサシアンシミュレータPLUS」の構成と機能についてご紹介を頂きました。

「レサシアンシミュレータPLUS」は当センターが所有している「ハートシム」の後継機であり、BLSの訓練はもちろん、挿管練習、除細動器をかけること、血圧測定、採血・ルート確保など様々な訓練ができる高機能な患者モデルです。



また、人形を操作する「SimPad」やモニタータブレットなどはWi-Fiで繋がっており、無線で使用できるので、持ち運びにも適しています。(もちろん有線でも使用可能です。)
指導者が少し離れたところから「SimPad」で人形を操作することができるので、受講者はより実践に近い形で訓練することができます。



続いて、挿管練習やCPRの訓練をしていきます。
「レサシアンシミュレータPLUS」は後部後屈顎先拳上や下顎拳上をしっかりと認識し、「SimPad」にはそのログが残るようになっています。
そして実際に挿管器具を挿れ、空気を送り込んで胸が上下するのを確認することができます。



盲目的に挿管すれば食道挿管にもなり、腹部がぽこっと膨らむのも確認できます。

CPRの訓練では、細かな記録が残るようになっており、胸骨を圧迫する速さや深さがモニターで確認することができます。
通常のBLS訓練人形では簡単な速さや深さを確認することしかできませんが、「レサシアンシミュレータPLUS」では押し込んだ時の深さや戻したときの状態がグラフで細かに表示され、自分が胸を押し込むのと戻すのとでどちらの動作を上手くできていなかったのかなどをフィードバックできるようになっています。



さらに、実際に除細動器を用いてショックをかけることもできます。
ショックをかける前とかけた後で心拍の波形も自動で変わり、現場さながらの訓練を行うことができます。
医師の先生方は除細動器を何度も使用したことがありましたが、看護師の方や教職員の方はショックをかけたことがなかったようで、皆さん初めての経験にとても興味津々でショックをかけていらっしゃいました。





「SimPad」の操作、プログラミング

そして最後は、「SimPad」を用いたシナリオの作成作業(プログラミング)となりました。
受講者の方々に「SimPad」のアプリが入ったパソコンが渡され、パソコン上で心拍数や呼吸数、血圧などを設定し、シナリオを作成していきます。



作成したシナリオは「SimPad」に転送でき、それを呼び出して実際に人形を用いて訓練をすることができます。



最初は、除細動器をかけた直後に患者(人形)が目覚めるなど、適切な数値のタイミングを見つけるのが難しかったようですが、数値等はすぐに書き換えたりすることが可能なので、何度か設定を見直しているうちにスムーズなシナリオを作成することが出来るようになっていました。



あっという間に3時間は経ち、皆さま満足して帰られたように見受けられました。
本来は6時間と言う長い時間でのコースですが、3時間でも色々なことが学べ、また自分の弱点なども見つけることができ、とても有意義な研修会となりました。

ご参加いただきました皆様、そして講師を務めて下さった亀岡様、ご協力を頂きましたレールダル社の方々、本当にありがとうございました。

*レサシアンシミュレータPLUSのラボ常設*

「レサシアンシミュレータPLUS」はポータブルタイプですが、今後は救命救急スキルズラボに常設しておくことに致します。
もちろん、持ち出しは可能ですので、センター外でのご使用を希望の方は、事前にスタッフまでご連絡ください。(収納するのに時間がかかります。無断持ち出しは厳禁です。)
また、シナリオを作成し、「SimPad」に保存しておくことも自由に行って頂いて結構ですが、その際は必ず使用簿への記載を宜しくお願い致します。