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講座について

本学の一般教育部門に属する生物学教室では、入学初年度の学生を対象に医学・看護学の導入となる生物学の講義と実習を担当しています。講義と実習を通じて、生命現象を科学的に理解し、生命体をいろいろな方向から立体的に捉える能力を身につけてもらいたいと思っています。また、学生が意欲的に学修に取り組み、それを継続できるように常に学生とのコミュニケーションを大切にしています。研究においては、哺乳動物の「卵」、「精子」、「染色体」をキーワードに生殖工学的技術や染色体解析などを駆使して実験を行っています。本教室は、初代教授の美甘和哉氏によって教育・研究の基盤が築かれ、継承されて現在に至っています。

スタッフ紹介

准教授

日下部 博一クサカベ ヒロカズ

講師(学内)

日野 敏昭ヒノ トシアキ

教育

生物学教室が担当する講義は、高等学校で学んだ生物と本学で学ぶ基礎医学・基礎看護学の橋渡しとなる内容になっており、その中で、細胞学、遺伝学、発生学など、人体の構造と機能を理解するために必要な基礎知識を幅広く学びます。
「基礎生物学実習」では、生物学の基本である「観察」を軸とし、ミクロからマクロに至るテーマを幅広く取り入れています。顕微鏡の使用方法から始まり、マイクロピペットを使用してPCR法と電気泳動法による遺伝子解析や酵素反応を調べる実験も行います。また、本学ならではの特色あるテーマとしてマウスの受精卵と胎仔の観察、ヒトの染色体観察なども行います。

医学科1年

講義
  • 必修科目「基礎生物学」(38コマ)
  • 必修科目「発生遺伝学」(15コマのうち7コマ)
  • 選択必修科目「自然科学入門(生物系)」(20コマ)
  • 選択科目「科学論文の読み方・書き方」(15コマのうち3コマ、看護学科と共通の科目)
実習
  • 必修科目「基礎生物学実習」(45コマ×2組=90コマ)

看護学科1年

講義
  • 選択科目「生命科学(入門)」(15コマのうち6コマ)
  • 選択科目「生命科学(発展)」(15コマ)
  • 選択科目「科学論文の読み方・書き方」(15コマのうち3コマ、医学科と共通の科目)

看護学科2年

講義
  • 選択科目「看護遺伝学」(15コマのうち9コマ)

研究

マウスなどの実験動物の精子や卵を研究材料として、哺乳動物の受精のしくみに関する研究や、精子または卵の染色体異常に関する研究に取り組んでいます。
精子や卵を体外で操作する体外受精法および顕微授精法はヒトの不妊治療法として今日では欠かすことのできない高度生殖医療技術となっています。ところが、このような技術が将来的に子孫の遺伝子にどのような影響をもたらすかについてはエピジェネティックな影響も含めてまだ不明な点もあります。また、無数の人工産物(薬品、食品、化学物質、放射線など)が身近な環境中にあり、それらによって精子や卵の遺伝子が少しずつ傷つけられている可能性も考えられます。当研究室では体外受精法や顕微授精法などの生殖工学技術の他に、当研究室で開発・継承されてきた卵(または受精卵)の染色体標本作製技術(漸進固定空気乾燥法)を駆使し、mFISH法などの比較的新しい染色体解析方法を取り入れて「次世代の遺伝的安全性の確保」という視点から研究をしております。