部案内
松原和夫(まつばらかずお) 薬剤部長 医学部教授
薬剤師がもっともっと活躍できて、患者さんから「お薬の先生」と呼ばれるようにと皆で頑張っています。
「お薬について」は、一般の方向けに「薬」の語源から、医師/薬局との上手な付き合い方、さらにお酒と薬の関係などの良くある質問をまとめました。ご参考になれば幸いです。
お薬について(pdf)
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【略歴】
1973年
島根県立松江南高等学校理数科卒業
1978年
京都大学薬学部製薬化学科卒業
1978年
島根県職員(隠岐諸島西ノ島の保健所勤務)
1979年
島根医科大学医学部教務員(法医学講座)
1980年
同助手
1990-91年
米国 ロヨラ大学(シカゴ)医学部生化学客員講師
1991年7月
島根医科大学医学部助教授(法医学講座)
1997年8月
旭川医科大学医学部教授・薬剤部長
2000年5月
旭川医科大学医学部附属病院治験支援センター長(併任)
現在に至る
学位:医学博士
研究領域:臨床薬学・神経化学
【調剤部門】
調剤室では処方箋による調剤を主な業務としている。調剤室で取り扱っている薬品数は、約1200品目である。当院では発生源入力による処方オ−ダリングシステムとこれと接続した薬品管理システムにより業務がほぼ組み立てられている。
外来処方箋は平成5年4月から院外処方箋が発行されるようになり、平成19年2月における院外処方箋発行率は、平均70.2%となっている。
1日平均処方箋枚数は平日入院が329枚、平日外来が250枚、休日入院が132枚、休日外来が18枚(平成18年3月から平成19年2月)である。入院処方箋は錠剤分包機を処方オ−ダリングシステムと接続し、入院患者の錠剤・カプセル剤は全て1回服用量調剤(One Dose Package)を実施している。
薬袋作成機および散剤監査システムを導入し、迅速かつ正確な調剤を心がけて行っている。また、薬袋作成機から処方箋と同時に「お薬のしおり」、「お薬手帳」用シールが発行される。さらに患者様の薬歴、臨床検査デ−タ等が記載された処方箋チェックシートも同時出力され処方監査時に使用している。処方内容に関して医師に問い合わせ(疑義照会)を行った場合は、照会結果をコンピュータに登録しデ−タベース化している。このことで疑義照会履歴の検索、参照が可能となり処方が原因となる医療事故の防止に役立てている。このように患者様がより安全で効果的な薬物療法を受けられるように患者指向の調剤を実践している。
(2007年3月8日)
【注射薬払出部門】
主な業務は注射薬及び消毒薬などの外用薬の供給と品質確保も含めた在庫管理である。
現在、取り扱っている注射剤の品目数は、約600となっている。全病棟および外来についてオーダリングシステムを採用しており、平成11年4月より2台の自動注射剤調剤機器を使用して効率化を図っている。現在の入院注射せんの枚数は1日平均170枚(平成18年3月から平成19年2月までの集計)である。
特定生物由来製剤の使用患者登録については、2004年10月よりバーコードを利用したシステムを構築し運用を開始した。このシステムは納品から使用患者登録までの業務の流れにおいて薬剤部で独自に作成したバーコードを薬剤部からの払い出し時と患者へ注射実施入力時に読み込ませることで、患者データとロット番号を関連付けさせるものである。このシテムの導入により迅速かつ正確な管理を行えるようになった。
手術部における注射剤の払い出しについては従来カートを利用した定数補充による方法をとってきたが、平成19年度より薬剤師が手術部に出向き麻酔薬等の患者別個人セットも行うことが決定し現在準備中である。院内での注射薬の在庫管理については薬剤部と各部門をコンピュータで結び一元化を図った運用を行っている。即ち、薬品毎の納品数、各部門への払い出し数ならびに在庫数を把握できるシステムである。このシステムを利用して月1回払い出し先部門の棚卸し業務も行っており在庫調整の簡便化をはかることが可能となった。
(2007年3月8日)
【注射薬調剤部門】
注射薬混注業務は平成10年から一部病棟におけるTPNの調製と抗悪性腫瘍剤の混合を薬剤部製剤室で行ってきた。平成14年7月に混注センターを開設し、混注対象病棟を全西病棟へと拡大し、看護部との連携で集中的に注射剤の混合調製を行うこととなった。その後順次対象病棟を増やし現在全病棟が対象となっている。
混注センターは、開設当初、薬剤師2名、看護師2名(各病棟輪番)で業務を開始し、看護師への混注手技等の指導も行ってきた。現在は、薬剤師6名と専任職員2名で業務を行っている。業務内容は、定時に入力された処方の内500mL以上の輸液・補液を含む処方と抗悪性腫瘍剤を混注対象として調製を行っている。また抗悪性腫瘍剤の調製に関しては、レジメンを提出してもらい、オーダとのチェック等を行っている。休日の混注に関しても安定性の良いものを対象(一部安定性の悪い薬品は病棟にて後混注)として、休日前日に3日分を限度として行っている。
(2007年3月8日)
【特殊製剤部門】
病院で取り扱うお薬のほとんどは、製薬会社によって製造されたものですが、患者さまの症状や病態によっては、市販のお薬では対処できない場合があります。このようなとき、医師は世界中の論文や学会発表などを調べて、効果がありそうなお薬の製造を製剤室に依頼します。製剤室では調製方法や添加物を考え、もっとも有効で安全になるようにお薬を作ります。市販されていないお薬の製造のほか、調剤の予備行為として錠剤の粉砕や軟膏の混合なども行います。
(2007年3月8日)
【麻薬・治験薬管理部門】
麻薬および治験薬の管理・払出が主な業務である。
(1)麻薬は現在、経口剤17(内、院内製剤1)、外用剤7(内、院内製剤1)、注射剤9、計33品目が採用されている。麻薬の施用はオーダリングによる運用を行っている(一部を除く)。平成17年10月〜18年9月の1年間における麻薬処方せん枚数および件数は、入院で各々2298枚、2579件、外来で863枚、1216件であった。注射剤の施用伝票は入院7582枚、外来124枚であった。最近5年間の当院における主としてがん疼痛治療に用いられる麻薬の使用動向を以下にまとめた。
塩酸モルヒネ速放製剤(散・錠・液・坐剤など)は平成15年をピーク(モルヒネとして535g)として減少傾向にあり、18年で410gであった。
剤形別では坐剤は減少、液剤は増加していた。モルヒネ徐放製剤も平成14年の1018gをピークとして減少し、平成18年で238gであった。
一方、平成15年に採用になった塩酸オキシコドン除放製剤は年々増加し鎮痛効果のモルヒネ換算で平成18年329gであった。また、フェンタニルパッチも著しく増加し、平成18年ではモルヒネ換算で約1400gに達していた。このように、モルヒネ徐放製剤は減少し、塩酸オキシコドン徐放製剤およびフェンタニルパッチの増加傾向が認められた。
(2)当院の治験支援センターは治験事務部門、治験薬管理部門および治験コーディネート部門(CRC)からなり、その管理部門を担当している。治験薬管理・払出に関わる業務、すなわち、依頼者からの治験薬受領・返却に関する記録や保管・払出など治験薬管理手順書に従った記録(管理表、処方せん)、調剤、併用薬チェック、原資料や対応記録の保管などを行っている。治験申込時の事前審査およびスタートアップミーティングも他のスタッフと共に行っている。また、製造販売後使用成績調査の事前調査は管理室が行っている。
(2007年3月8日)
【外来指導部門】
お薬の中には、特別な使い方をするものがあり、誤った使い方をすると十分な効果が得られません。当院では必要に応じて服薬指導を行い、さらに自己注射と吸入手技の指導を行なっています。
自己注射の指導は、ヒト成長ホルモンが新規に処方された患者様全員と、インスリンを自己注射している患者様のうち、医師の依頼または患者様の希望に応じて行ないます。
吸入手技の指導は、吸入薬を新規に使用するか、すでに使用している患者様に、医師の依頼または患者様の希望に応じて行ないます。また、薬剤師喘息外来では、呼吸器内科の医師に紹介された患者様を対象に、発作のない生活を送れることを目的として、吸入手技のみでなく、病態、予防、治療、副作用防止、などについて患者様一人一人の病状、吸入薬の種類、理解度に応じたきめの細かい指導を行ないます。プライバシー保護のため、指導は専用の服薬相談室で行っています。
(2007年3月8日)
【入院(病棟)部門】
入院患者様に対して、患者様を中心とした医療チームの一員として、患者様により良い医療サービスを提供するため活動しています。業務としては、直接患者様と面談して適切な指導・助言を行う服薬指導と、得られた情報とそこから得られる薬物療法の問題点を検討し、適正使用のための情報とともに医師をはじめとした医療チームに還元・提案していく事です。
当院では全病棟に1〜4名の病棟担当薬剤師(薬剤部内の業務と兼任)を配置し、薬剤管理指導を行っています。特に包括医療制度の導入以来、各病棟担当薬剤師が患者様が入院時に持参薬をベッドサイドでチェックし、持参薬についての指導・助言をしながら、それを安全かつ有効に使う事が出来る様に活動しています。
(2007年3月8日)
【サテライト】
薬剤師がチーム医療の一員として病棟内に常駐している。入院患者さまの持参薬チェックを始め、安全な薬物治療のための支援が主な業務である。
具体的には、処方薬の"中止""追加""変更"が処方箋に反映されているかチェックし、処方薬を管理するとともに薬剤指導業務を行っている。そのための設備として、病棟ナースステーション内に専用の机とオーダー端末およびプリンターを備えている。また、クリーンベンチを設置した病棟混注室では、IVH(臨時処方)を含めた注射剤(定時処方)の無菌調製を行っている。2006年度の2月末までの実績は、IVH件数314件、無菌調製件数3474件である。現在は9東(心臓外科/血管外科/呼吸器外科/乳腺内分泌外科)病棟で活動している。
(2007年3月8日)
【薬務・薬品情報部門】
薬務・薬品情報部門では、薬品購入/管理を行う「薬務」業務と、医薬品に関する情報を収集/評価/提供する「薬品情報」に関する業務を行っている。
【薬務業務】
(1)医薬品の購入・払出
(2)有効期間、使用期限、ロット番号も含めた在庫管理
(3)購入・払出薬品の統計データに基づく病院経営への提案
(DPC下における採用品目の見直し等)
(4)薬事委員会に関する資料作成
(5)血漿分画製剤の管理簿作成
当院では、薬務業務の効率化を目指し、電算化を進めてきた。在庫管理システムとして、平成10年「Artima」を開発、平成16年には「CarryMate」への切り替えを行い現在にいたっている。人的な面からのシステム評価は、電算化前の薬務室(薬務業務のみを行う)では薬剤師数3名+事務員1名の計4名であったのに対し、現在は、「薬務」と「薬品情報」両方を統合した「薬務・薬品情報部門」で薬剤師3名+事務員1.5名にて業務をこなしている。このことは、薬剤部において、増員を行わずに新規業務を展開するための大きな力となった。また、在庫管理システムは、オーダ情報から消費情報を作成し、設定定数値を維持するよう、自動的に発注・在庫管理をおこなう。当院ではこの考え方を、さらに病棟・各部署へも拡張し、「病院全体のリアルタイム薬品在庫状況」が把握できることが、最大の特徴である。
【薬品情報業務】
(6)医薬品の有効性や安全性等の質疑に対する回答
(7)院内へのDrug News等による情報提供
(8)オーダリングシステムのマスタメンテナンス
(医薬品添付文書情報、注射薬を含めた薬歴に対する相互作用チェック・注射上限量等)
(9)医薬品情報(一般市販薬(OTC)薬や健康食品も含む)の収集、整理、保管および情報の加工と評価
(10)薬剤部HPのメンテナンス
「薬品情報」提供業務とは、医師をはじめとする医療従事者、および、患者さまへの薬品情報の提供を通じて、良質かつ適正な薬物療法に寄与することを目的としている。インターネットを利用することで、誰もが同じ情報を共有できるようになった現在、薬剤師が薬の専門家としての視点から、医薬品情報を収集・評価し、提供することは、今後ますます重要になってくると思われる。
(2007年3月8日)
【血中濃度解析(TDM)/(薬と中毒)部門】
<TDM(Therapeutic Drug Monitoring:治療的薬物モニタリング)業務>
TDMとは、個々の患者の血中薬物濃度を測定することにより、望ましい治療濃度になるように用法用量を個別化する業務である。
薬剤部においては、抗MRSA薬(バンコマイシン、アルベカシン、テイコプラニン)、免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス)、ジゴキシン、メトトレキサートなどの血中濃度を測定及び解析業務を行っている。また、当院では2006年2月より抗MRSA薬の使用届出入力システムを導入し、これにより抗MRSA薬の使用状況を随時モニタリングすることが可能となった。
<薬物中毒のスクリーニング及び測定業務>
精神作用物質等による急性中毒又はその依存症が疑われる場合、薬物中毒検出キットを用いたスクリーニング業務を24時間体制で行っている。その他、法医学講座との連携により血中アルコール濃度の測定も行っている。
(2007年3月8日)
【試験研究部門】
試験研究部門では、以下の研究を行っている。
(1)パーキンソン病治療薬としての5-HT1A agonistタンドスピロンに関する研究
(2)健康食品と医薬品の相互作用に関する研究
(3)抗がん剤濃度測定法の確立と臨床応用に関する研究
(4)ダイアリシス法を用いた薬物脳血液関門透過性や薬物による脳内神経伝達物質の変動に関する研究
基本的に、興味のある部員が業務の合間に行っています。
(2007年3月8日)
【外来点滴センター】
がん化学療法を含む点滴治療を受ける患者さんに安全で安楽な治療環境を提供する目的に平成18年4月より稼動している。ベッド9床、リクライニングチェア3床がある。
点滴センター専任薬剤師にはがん専門薬剤師を配置、センター内の薬剤室で無菌的に抗がん剤の調整をしている。がん化学療法レジメンと注射薬オーダをチェックし、投与方法の詳細を確認している。患者さんには抗がん剤の作用・副作用やその前段階の兆候など情報提供を行うことにより、より安全で確実な外来がん化学療法の実施に努めている。
(2007年3月8日)
【その他支援部門】
上記以外の他部署の支援部門として、手術部の業務支援について現在計画中である。手術部では麻薬をはじめとして法的規制が厳密な薬剤が数多く使用される。麻薬のみならず毒薬・向精神薬等の取り扱い基準が厳しさを増していく中、手術部で使用される薬品管理を薬剤師が行うことでより適正な薬剤の使用が可能となる。
また、薬薬連携にも力を入れている。2006年(平成18年)11月から、保険薬局における患者さまからの聞き取り情報(ノンコンプライアンス・他院での類似薬処方・市販薬や健康食品の使用など)で治療上有用と思われることを医師へフィードバックするための服薬情報提供書(トレーシングレポート)を受信するための専用FAXを設置し、患者カルテへレポートを添付する情報ネットワークの運用も行っている。今後、よりきめの細かい患者情報の共有化へ向けた取り組みを検討中である。
教育の面では、地域薬剤師会向けに病態解析や安全対策についての勉強会や調剤技術講習会を行っている。また、毎年10人前後の卒前実習・卒後研修として薬学生を受け入れ、教育を行っており、さらに、新卒医師の卒後臨床研修も行っている。
(2007年3月8日)
【認定・専門薬剤師等取得状況】
薬剤部では、チーム医療の中で、より専門性を発揮するための能力向上を目指し、認定・専門薬剤師の取得に対し、積極的に取り組んでいます。
【人員】
・教員 3名(教授、准教授、派遣教員 各1名)
・薬剤師 25名
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・感染制御専門薬剤師 1名
・がん専門薬剤師 2名
・糖尿病療法指導士 1名
・NST専門療法士 2名
・認定CRC 2名
・日本医療薬学会指導薬剤師 7名
・日本医療薬学会認定薬剤師 3名
・認定実務実習指導薬剤師 7名
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【施設認定】
・日本医療学会認定薬剤師制度 研修施設
・日本病院薬剤師会がん専門薬剤師研修事業 研修施設
・日本薬剤師研修センター 研修施設
(2009年11月30日)
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