耳鼻咽喉科豆知識

睡眠時無呼吸症候群 睡眠中の呼吸の以上について

頭頸部腫瘍の検査

視診

腫瘍の大きさ、性状などを目で直接見て診察します。

触診

腫瘍の硬さ、性状、動きなどを指で直接触って診察します。

内視鏡(ファイバー)検査

視診で直接観察できない部位の診断に用います。鼻から直径3~5mmの細いカメラを挿入して、腫瘍がないかを診察します。

単純X線(レントゲン)検査

視診で直接観察できない部位の診断に用います。

超音波(エコー)検査

甲状腺、唾液腺、頸部リンパ節など頸部の診察で触診とともに行い、腫瘍の有無や性状について評価します。

CT検査

頭頸部領域は骨が複雑に入り組んでおり、骨と腫瘍の位置関係を診断するのが得意なCT検査が頭頸部腫瘍の診断に大変有用です。他の検査ではわからないような深部での癌の広がりなど様々な情報が正確に得られます。また造影剤を使用することにより、骨以外の病変の診断にも有用です。

MRI検査

MRIは磁気を利用した画像検査ですので、X線やCT検査のような放射線被爆がないのが長所です。骨と腫瘍の位置関係を見るのは苦手ですが、それ以外の部分では腫瘍の性状や広がりをCT以上に詳しく知ることができます。CTに比べて検査時間が長いという短所もあります。

核医学検査(シンチグラム)

腫瘍細胞に集まる放射性物質を体に注射し、腫瘍胞が存在する場所を特定する検査です。主に遠い臓器への腫瘍の転移(遠隔転移)を調べるのに用いられます。

生検

様々な画像検査を行っても、腫瘍の組織型(性質)まではわかりません。そこで直接腫瘍細胞を採取する「生検」という検査が必要になります。鼻腔や咽頭、喉頭など腫瘍が体表面や内腔に露出している場合には、直接あるいは内視鏡で見ながら腫瘍の一部をつまみ取って病理(顕微鏡)検査に提出し、組織型を調べます。これによってどのような性質の腫瘍細胞なのかがわかり、治療方針を決定する上で重要な手がかりとなります。また、直接腫瘍細胞をつまみ取ることができない部分では、「針生検」を行います。針生検とは、甲状腺や唾液腺、リンパ節などのように腫瘍が表面に露出していない場合に、針を刺して腫瘍内の細胞を吸引し採取する方法です。