耳鼻咽喉科豆知識

睡眠時無呼吸症候群 睡眠中の呼吸の以上について

睡眠時無呼吸症候群による弊害

1. 睡眠時無呼吸症候群と昼間の眠気

睡眠時無呼吸症候群の患者さんが訴えるもっとも多い症状は昼間の耐え難い眠気です。無呼吸のため無意識のうちに覚醒するので、睡眠時間が十分であるにもかかわらず朝起きたときに熟睡感が得られません。軽い場合には食事や単調な仕事中に短い居眠りをする程度ですが、重症では車の運転中に突然眠ってしまい交通事故をおこしたり、重要な商談中でも居眠りをするようになります。このような状態が長く続くと、作業能力の低下にともなう判断ミス、抑うつ、神経過敏などもみられ、場合によっては仕事の継続が難しくなることもあります。

2. 睡眠時無呼吸症候群と循環器疾患

睡眠時無呼吸症候群は中年以降の肥満男性に多く、高血圧、不整脈、狭心症、心筋梗塞などを合併している患者さんもおられます。特に狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患は無呼吸で悪化すると言われており、睡眠中の突然死を引き起こす可能性もあるため、睡眠時無呼吸症候群に対する適切な治療が必要です。

3. 睡眠時無呼吸症候群と脳血管障害

睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、正常な方に比べて脳梗塞を合併する頻度が高いという報告もあります。睡眠時無呼吸症候群が循環器疾患ばかりではなく、脳血管障害を誘発もしくは悪化させる可能性もあります。