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「共働きの同居介護ーともに笑えたら・・・大吉!」

終了報告

2018年10月30日

 
 平成30年10月30日に第31回二輪草セミナーが開催されました。今回は「共働きの同居介護-ともに笑えたら・・・大吉!-」と題して小児外科の宮本和俊先生にご講演頂きました。今回は札幌で一人暮らしをされていましたお母様を認知症を機にご自宅で介護された話を暖かな語り口でご講演頂きました。
お母様は戦後の貧しい時期、勉強をしたくてもできず、家計を助けるため小学校卒業後働きに出て大変な苦労をされたそうです。結婚後一人息子である宮本先生を育てながら雑貨店を切り盛りされ、難関の宅地建物取引主任者の資格を取得されました。子育てが終わってからは一級きもの講師の資格、華道師範、書道雅号を次々と取得されお琴や乗馬、水泳、海外旅行と積極的に活動されていました。その後短歌と出会いひたむきに精進され生田原にはお母様の歌句碑があるそうです。また驚くべきことに78歳に北海道応用心理学教室に入学し心理学を学ばれています。強い学習欲と行動力で勉強を始めるのには年齢は関係ないのだと気づかされました。
お一人で充実した毎日を過ごされていたお母様でしたが、徐々に認知機能の低下がみられ80歳のとき旭川で同居することになりました。ご夫婦ともに仕事をされているすれ違いの生活での同居介護にあたり交換日記を始めたそうです。日記の表紙にはこれからの心構えとして〔つらいことに出会っても たたかわない!かわすことができたら・・・吉!
ともに笑うことができたら・・・大吉!〕と書きこの言葉が5年間、お二人のこころの支えとなったそうです。周囲の助けを借りながらともに笑うことができるように工夫し、過ごされた思い出を映像とともに紹介して頂きました。母の介護とは名ばかりで、明日の自分の姿を、自分の気の短さを、日常料理やお弁当作りの楽しさを、ともに笑える楽しさを、人と人との縁(えにし)の大切さを教えられた5年間だったそうです。
最後になりましたが、お忙しいところ素晴らしいご講演を頂きました宮本先生および聞きに来て下さった職員や学生の皆様にお礼を申し上げます。これからも育児、介護をテーマに実りあるセミナーを企画したいと思いますので是非多くの方にご参加頂ければと思います。


                 (二輪草センター助教 菅野 恭子)

  
セミナーの様子