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「中堅看護師が語る〜心に残る看護エピソード〜」
           知っていますか?輝くナース〜PartZ〜

終了報告

2018年7月13日

 
 7月13日(金)、“知っていますか?輝くナース”シリーズ7回目のセミナーを開催しました。昨年に引き続き、テーマを「中堅看護師が語る〜心に残る看護エピソード」とし、卒後6〜7年目の中堅看護師のお二人にお話しいただきました。参加者は学生、教員を含む25名で、改めて看護を深く考える機会となりました。
 最初に、9階西ナースステーションの谷本彩也加さんは、“患者のQOLを高めることにつながった関わり”をお話しいただきました。谷本さんは、副作用で下半身の麻痺が出現し落胆する患者さんに、細やかな配慮で環境を整え、自分のできることを増やす関わりを続け、その人らしくいることを支えていきました。患者さんの意欲をタイムリーにとらえ、家族の気持ちに寄り添い、医師や理学療法士とチームで働きかけることで、生きる意欲につなげ車椅子で桜を見に行けるまでになりました。日々の関わりで少しずつ前向きに変化し、患者さん・ご家族が明日への希望を見出していく過程がよくわかりました。谷本さんが、患者さんのQOLを高めるということを大事にしているのは、諸先輩が大事にしてきたものをしっかりと継承し、患者さんを中心に多職種と協働していくことを学んだからということでした。患者さんのQOLを高めるというのは、患者さんが笑顔になることだと改めて感じたお話でした。
 9階東ナースステーションの滝本梨奈さんは、“出会いを通して今の看護観に影響を与えたこと〜ライフステージを見据えて〜”のタイトルで、3年前に出会った患者さんとの関わりをお話しいただきました。初入院に加え、自分のことを語らず、質問しても母親が答える患者さんとの関係性を築くことをめざし、勤務の度に病室を訪れ積極的にコミュニケーションを取り、再入院時も都度受け持ち看護師になり、患者さんも普通に話ができるようになりました。その後病状が悪化し退院のめども立たない時に、患者の母親から現在の不安だけでなく、依存的になってしまった背景を聞きました。滝本さんは関係を築くことで満足してしまいS氏の一部しかみていなかったこと、ケアにつなげていなかったことに気付いたと振り返っていました。この関わりを通し、看護師とは何か、看護師の役割とは何かを考えるきっかっけになり、今も大切に日々のケアや後輩指導に活かしているということでした。患者さんを深く理解すること、寄り添うことは、とても難しい事でもありますが、そのプロセスそのものがケアとして患者さん・家族を支えていると感じたお話でした。
 今回のお話で、看護の力や魅力を感じ、アンケートからも参加者一人一人が、今までの自分の看護を振り返る機会にもなったという感想を多数いただきました。忘れられない体験には、忘れられない理由が埋まっているのだと思います。そこを振り返り、焦点を当てていくことで、自分の看護を豊かにしてくれることを、お二人の話を通して感じました。何よりも、お話し下さったお二人が素敵に輝いていて“看護”の素晴らしさを共有した時間でした。 


      (看護職キャリア支援職場適応支援担当 看護師 尾形 千悦)

  
セミナーの様子