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「働き方改革」〜これからの働き方を考えよう〜

終了報告

2017年8月31日

 
 平成29年8月31日に第28回二輪草セミナーを開催しました。今回はライフネット生命保険株式会社創業者の出口治明氏をお招きし「これからの働き方を考えよう」のタイトルでご講演頂きました。はじめに、物事はタテ・ヨコで考えること、数字・ファクト・ロジックのみで考えることが重要であることをお話しされました。日本の国際競争力は1991年に2位であったのが2016年には26位となっています。GDPは人口×生産性で決まるので少子高齢化の日本は生産性を上げなければいけません。生産性をあげるためには従来の工場モデルからサービス業の働き方にシフトする必要があります。人の集中力はせいぜい2時間程度といわれていますので長時間労働では良いアイディアは生まれないこと、職場の上司が時間をかければ良いものができるという無限大の幻想にとらわれている点も指摘していました。また少子化対策としてシラク3原則を例に挙げ、女性が産みたい時に産むことができ、待機児童をゼロにし、育児休暇から職場復帰する際、ずっと勤務していたものとみなして受け入れる事で出生率が上がったとのこと。この3原則は働く女性が子供を産みやすくする政策であると思いました。仕事は人間の人生においてたいしたウェイトをもっていないと割り切って仕事をした方が良い仕事が出来るとのこと。最後に皆それぞれのライフワークバランスを自分で決めて考える事の大切さを説かれました。質疑応答では会議を減らすには会議室を減らし、ペーパーレスにし資料の説明をカットして事前に資料を回しておく様にする方法を提案して頂きました。また、人が一人減ったら仕事を残りの職員で分配するのではなく仕事を見直し整理するチャンスであること、幹部を集めてどうやって仕事を減らすかをディスカッションすると良いとのことです。クォーター制については幹部にある一定の女性を割り当てることでロールモデルができ、仕事を与えられた女性が成長するとも言及されていました。出口氏のお話を通して働き方の見直しの重要性を認識できました。今回の講演には多くの医師、看護師、大学職員、学生がご参加くださいました。医療界では理由なしに診療を断れない『応召義務』や医師の偏在が長時間労働の要因と指摘されており、働き方革命は遅れていますが、女性医師の増加、医師の過労死の面からも早急におこなわれなければいけない課題です。これからも当センターではジャンルにこだわらず、興味深い講演を企画していきたいと考えておりますので多くの方にご参加頂けますと嬉しく思います。

                 (二輪草センター助教 菅野 恭子)

  
セミナーの様子