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「中堅看護師が語る〜心に残る看護エピソード〜」
           知っていますか?輝くナース〜PartY〜

終了報告

2017年7月7日

 
 7月7日(金)、“知っていますか?輝くナース”シリー6回目のセミナーを開催しました。昨年に引き続き、テーマを「中堅看護師が語る〜心に残る看護エピソード」とし、卒後6年目の中堅看護師のお二人にお話しいただきました。参加者は医師2名を含む30名で、改めて看護を深く考える機会となり充実したセミナーとなりました。
 最初に、6階西ナースステーションの新田恵理さんは、“叶えたい最後の言葉”と題し患者Nさんとのエピソードをお話し下さいました。Nさんは予後を告知されながらも、口から食べ自分の足で歩き自分らしく生きることを貫いた方で、Nさんが望んでいる事は何か、Nさんの事を知りたい、力になりたいと真剣に向き合うことで、Nさんの価値観や素直な気持ちを話して下さるようになったこと、患者がどのように生きてきた人なのか、何を大切にしているかを知ることの重要性、信頼関係があってこそより良い看護につながっていくことを、Nさんから学んだと話されました。
Nさんのために作ったクリスマスカードと折鶴を、大切に病室に飾ってくれている光景をみて、当時の師長さんから「Nさんが大切にしている意味がわかる?あなたの看護の形が見えたんじゃない?」と声を掛けていただいた。そのことで、患者さんとの関わりに自信を持つことができ、同時に看護師としての存在感と看護師という仕事のやりがいを感じたと話されました。新田さんの真摯な気持ちとNさんとの心のつながりが見え、看護師として成長していく過程が良くわかるお話でした。
 10階東ナースステーションの片桐実紀さんは、“家っていいな”のタイトルで、「最後は自宅で迎えたい」という患者Aさんの願いを叶えたいと考えている家族を中心に、見事なチームの連携があり自宅で看取ることができたエピソードを話して下さいました。改善の見込みがない厳しい状況の中で、希望を叶えるためにチームが目標を一つにして決断し行動したことで、わずか2時間で自宅に帰ることができたこと、Aさんは妻・子供・孫に囲まれながら帰宅後2時間後に亡くなられたこと、妻はAさんとの約束を果たせたことをとても感謝されていたことを話されました。
Aさんから学んだこととして、患者・家族の思いや希望を知り、その思いを尊重するために何ができるかを考えること、どのような状況であっても自宅に帰るという選択肢は捨てないこと、そして住み慣れた家で家族と共に過ごす幸せを教えていただいたと話されました。
参加者から、「患者を支え希望を叶えるきっかけは看護師であり、医療チームへの働きかけ、患者の言葉を代弁できるのも看護師であると改めて強く感じた」とのコメントがありました。家族の思いをしっかり受け止めた片桐さんの姿勢が、Aさんを自宅で看取ることにつながったのだと思います
 今回のお二人のお話は、素晴らしい感性と看護観がにじみ出た感動するお話でした。心に残る患者との出会いは、看護師として大きな成長の機会を与えてくれると感じました。そして、患者・家族の意思を知りくみ取り尊重すること、患者自身の「生き方を決める」ことを支える大切さを学びました。何よりも、お話し下さったお二人が素敵に輝いていて、“看護”の素晴らしさを共有できた時間となりました。


        (看護職キャリア支援職場適応支援担当 菊地 美登里)

  
     
セミナーの様子