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「中堅看護師が語る―心に残る看護エピソード」

終了報告

2014年10月3日

 
 10月3日(金)、二輪草セミナーを開催しました。今年度は、中堅看護師に「心に残る看護エピソード」を語ってもらい、忙しく過ぎていく日々ですが少し立ち止まって看護の魅力を再発見しようと企画しました。
 卒後7年目の3名の看護師に、忘れられない患者との出会い、その時何を感じ考えたか、その体験が今の自分にどのように影響を与えているかなどを語っていただきました。参加者は42名で20代の看護師が半数を占めていました。
 最初に、9階西病棟の水上真由子さんは、卒後4年目の体験を話してくれました。患者は同年代のがん患者で、前向きに明るく生きようとする時期から死に向かうまでの関わりの中で、「看護師」としての自分と「ひとりの人間」としての自分との間で心が揺れ動いた体験を語り、今の自分を作ってくれた貴重な経験であったと振り返ってくれました。
 救命救急センターの石川美奈さんからは、道外からの旅行中交通事故のため重症を負った患者との出会いが紹介されました。家族を支え、医師・MSWなどチームで連携することで、患者・家族の希望に沿える看護ができたこと、救命救急センターは短期入院患者が多いが、だからこそ「意味を持って関わる」ことを大切にしたいと話されました。
 6階西病棟の井上朋美さんは、2年目に受け持った患者との出会について語ってくれました。悔いばかりが残る看護体験と感じていたが、患者が亡くなってしばらく後に、奥様から「この病棟で最期を過ごせて本当に良かった」と書かれた1枚のハガキをいただき、あの時の看護は間違っていなかったと思えたこと、最期を病院で迎える患者が多いが「そこに家族がいればどこであっても家となること」を学んだと話されました。
 今回のお話で共通していたのは、患者との出会いで心に刻まれた体験は、看護師として成長する機会になり、今の自分に大きな影響を与えているということです。参加者のアンケートからも「看護を見つめ直す機会になった」との感想が多くあり、発表者の3人が体験した看護エピソードではありますが、自分の体験のように共有することができました。
 看護実践の検討や報告は日々行っていますが、「私の心に残る体験」を語る機会はあまりなく、語る側と聞く側の双方にとって貴重な時間となりました。

       (看護職キャリア支援職場適応支援担当師長 菊地美登里)

  
セミナーの様子