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「放課後お子さんはどのように過ごしていますか?
〜我が家の息子の学童保育〜」

終了報告

2011年10月26日


堀 仁子先生

 10月26日(水)病院会議室にて「第14回二輪草セミナー」を開催し、24名の方が参加されました。
 今回は「放課後お子さんはどのように過ごしていますか?〜我が家の息子の学童保育〜」というタイトルで、皮膚科医師で二輪草センター復職・キャリア支援相談員でもある 堀仁子先生に、学童保育体験についてお話いただきました。小学3年生と3歳の男の子を持つ先生の家のケースをもとにどのような学童が理想的か過去の職員へのアンケート結果をもとにお話し下さいました。
 保育園では届け出をすれば朝7時から夜19時まで長時間預かってくれて、子どもを安全に遊ばせ、生活と学びの場を提供してくれましたが、小学1年生になると帰宅が13時から14時前後となり、いわゆる「小1の壁」にぶつかります。現在の学童保育は小学3年生までしか預かってもらえないため、高学年は自宅で過ごす子どもが多いとのこと。職員アンケートでは充実した学童があれば現在の勤務形態を継続したまま安心して働けるので、病気のときの対応、長期休みへの対応、学童保育対象年齢を6年生まで拡大して欲しい、教育的要素を取り入れて欲しい、送り迎えなどが要望として挙げられていました。学校にあがることに不安や悩みを抱いている方が多かったようです。


セミナーの様子

  堀先生は旦那さんの仕事の関係で東京へ行くことになり、上のお子さんが卒園する2ヶ月前から小学2年生まで過ごしていました。東京も待機児童が多く学童を利用できない中「プレディ」という施設に通わせることができたそうです。
 「プレディ」とは子どもの健全育成を図るため、保護者の就労状況にかかわらず放課後や土曜日に、児童が安全に安心して過ごせる「子どもの居場所」のことでプレイとスタディを合わせた造語です。小学校の敷地内にフリースペースがあり自由参加型、17時までいつでも見てくれる制度です。中央区では8つの学校が実施しており、「地域ぐるみで子育てを!」という趣旨のもと、区の職員が運営し、サポーターや保護者、地域のボランティアの協力もあるそうです。利点は、@校内に専用ルームがあるため放課後移動することもなく安心である、A若いサポーターの先生が一緒に遊んでくれる、B保険料のみで無料、という点。「プレディ」があったからこそ安心して仕事ができ、とても良いシステムだったそうです。現在、旭川にはこのような施設はなく、40ヶ所ほどある留守家庭児童会はまだ待機児童が多いとのこと。民間の学童施設は8ヶ所ほどあり、現在息子さんが利用している民間の学童施設についてお話くださいました。東京の「プレディ」とは違い、雨でも雪でも外で遊んだり、ふきの煮物がおやつにでたり、クモが糸を張ったり虫を食べる様子を観察したり、夏休みには15泊16日のキャンプがあったりと自然やスポーツの中からいろんなことを学ぶのが特徴な施設のようです。このような体験から、子どもたちに放課後の長い時間を有意義に過ごして欲しい、いろいろなことを経験して欲しいとせつに願っておられました。
 理想の学童保育として、安全で健全、集団生活から社会性を学ぶ、遊びの中から知恵をつけ学びの中から知識を増やす、経験豊富な大人の人間力、職場と近いことなどを挙げられていました。また、みなさんも困ったことがあれば二輪草センターに意見を出し、どんどん活用して欲しいと呼びかけられました。
 最後に質問や相談が多々寄せられ和やかな雰囲気の中で終わりました。貴重な体験談をたくさん聞かせて頂きとても参考になりました。堀先生にはお忙しい中ご講演頂きましたこと心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。