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「週一回のお風呂入れ 〜おまえが看護師で良かった〜」

終了報告

2010年9月22日
対象:全職員(休職中の方も含む)・学生

 
  上田 順子看護部長  

9月22日(水)に「第12回 二輪草セミナー 」を開催し39名の方が参加されました。今回は、「 週一回のお風呂入れ 〜おまえが看護師で良かった〜 」というタイトルで、上田 順子看護部長に お父様の看護体験 についてお話いただきました。
 お父様が 74歳の時に前立腺がんの 手術をされてから、入院、退院、再発、自宅療養と長い介護期間があったようです。
タイトルにもありますように お風呂入れを始めたのは、起立性低血圧でお母様が ひとりでお父様の体を拭いていたという事がわかった時がきっかけだったそうです。お風呂入れの時は内心ではこのまま意識を失ったら・・という思いもあったようですが、気持ち良さそうにお風呂に入るお父様と会話を楽しんだり、「おまえが看護師で良かった」「次はいつ来るんだ」という言葉が嬉しくて、カレンダーに次週の印を付けていたそうです。時には出張など仕事の忙しい時もあったそうですが、夜遅くなっても必ず土曜日か日曜日には帰り次の朝一番のJRで仕事に戻っていたと伺いお父様への愛情の深さを感じました。また、「お湯代がかからなくて助かる」「お風呂沸かさなくていいから自分も助かる」と言ってお風呂入れのためにわざわざ来ているとお父様に思わせない配慮もされていました。
 お話のなかには たくさんのエピソードがありましたが、お母様のために起こしやすい態勢でベッドに横になるお父様の様子や入院したほうが両親ともに楽なのではないかという家族の思い、入院すると付き添う体力のないお母様が1人になってしまうというお父様の配慮、入院したら寝たきりになって 死んでしまうのではないかというお母様の心配など家族間の愛情と思いやりが いつも溢れていて、みんなで支え合って介護に向き合い、乗り越えてきたのではないかと 感じました。また、お父様がなくなった今も 看護部長さんが書きためた「父語録」を読んだり、若いころの写真を飾って新婚時代のように お父様を思っているというお母様の様子に、夫婦の愛情の深さと喪失感の大きさを思い胸が熱くなりました。


      セミナーの様子

 介護は環境や家族構成、病状などによって状況はそれぞれ違います。そのようなさまざまな状況に 対応できるような柔軟な制度の設立など、介護問題については仕事との両立のために 何が必要なのか介護セミナーでの介護体験談や先日行った 介護アンケートの結果など参考にしながら取り組みを行っていきたいと思います。
 上田看護部長さんは始終明るく淡々とお話をされていましたが、辛く苦しいことも 沢山あったのではないかと思います。そして、お父様が亡くなられてまだ1年というこの時期にご講演頂きました事に心より感謝を申し上げます。