ホーム > 主な活動> 地域連携セミナーinそうや参加報告(2019年10月)

  女性活躍推進に係わる地域連携セミナーinそうや
                    参加報告
                  


2019年10月29日




 令和元年10月29日女性活躍推進に係わる地域連携セミナーinそうやが稚内市で開催され、パネリストとして参加しました。少子化・人口減少が加速し人手不足がより一層深刻化する中で事業者が優れた人材を確保することや、働く人の意欲や能力を高めていくことが重要となっています。働く人に「選ばれる職場」とはどのような職場なのか、基調講演ではワーク・ライフバランス北海道代表の大湊亮輔氏がお話しされました。政府が掲げている「働き方改革」「女性活躍」の背景として、先進国の中で、最も長時間労働をしながら生産性が低いのが日本全体の労働市場です。労働人口の減少が進む中、女性活躍(ダイバーシティー)の推進が企業の成長へ直結しているそうです。就業率と潜在的労働力の差が大きい女性ミドル層(20〜54歳)の積極的な採用・受入体制の構築が急がれます。近年の調査では勤務先志望の理由としてワーク・ライフバランスと柔軟な勤務が可能であるかが重要視されています。就職活動をする学生には就職先に求める価値観を、採用する側の企業にはアピールポイントをそれぞれヒアリングしたところ一番ズレが大きい項目は「ワーク・ライフバランス」だそうです。2016年に「女性活躍推進法」が成立され企業は、女性の登用に関する「数値目標」の策定と「活躍状況」の公開が義務づけられましたが、実態を調査したところ女性の約25%が女性活躍の取組が進んだと実感する一方、進んでいない背景は「男性中心の組織風土」にあり、と多くの方が回答されたそうです。男性の育休取得率は上がってきていますが2020年男性育休取得率13%の目標には程遠いのが現状で「女性活躍」には「男性の家庭進出」が必要です。働き方改革法が成立し高度プロフェッショナル制度など2019年4月から本格施行されましたが40%以上の企業が取り組んでいるものの、20%ほどしか効果を実感せず、その理由に「制度がいまいち」、「業務量過多」が挙げられています。女性活躍には、子育てや介護との両立支援の構築はもちろん、制度の利用しやすさ、雰囲気、経営者の意識改革が求められているとのことでした。働き方改革の3段階として@制度の確立、A(運用のための)風土・雰囲気の醸成、B「無意識」の認識を挙げていました。@についてはいかに「成果」や「やりがい」につながる最もコアな業務に今まで以上に時間を配分できるようにするかが重要で、育児・介護休暇、両立支援やサポート体制を構築したり、多様なワークライフスタイルを受けいれたりすることを例として挙げていました。Aは理解から共感に変わるような様々な企業の取組み例をあげていました。B常識や価値観にとらわれていないか認識することも必要なようです。講演を通して企業が抱える問題は医療現場でも同じであると認識しました。日本の企業ではまだ女性が活躍する環境整備が整っていない中、旭川医大は制度の確立の点ではクリアしていると考えます。制度が整っていても利用しやすさや、個々人の「無意識」の認識についてはまだ課題を感じました。女性が働きやすい職場は職員全体が働きやすいと考えますので、これからも情報を発信していきたいと思います。


                 二輪草センター助教 菅野 恭子

            
             
                   セミナーの様子