ホーム > 主な活動> 大学医学部・医学会女性医師支援担当連絡会(平成28年12月)

「大学医学部・医学会女性医師支援担当連絡会」参加報告

2016年12月2日




 この度は平成28年度大学医学部・医学会女性医師支援担当者連絡会に参加させて頂きました。大学の女性医師支援の取り組みについて北海道大学と和歌山県立医科大学の取り組みの紹介がありました。北海道大学では平成22年から病児保育を開始されていますが、平成28年度の利用実績が一日あたり1.46人とのことでした。また、病児保育の必要性や病児保育の導入によって欠勤日数を減らせられるのではないかとのご発表がありました。当センターではH21年から病後児保育、H26年から病児保育を開始していますが、現時点で0.3人/日と、ここ最近の利用数が伸びていません。職員へのニーズアンケートでは、病児、病後時保育利用時の対応、手続きの簡略化を希望される意見がでました。当施設では利用する際、医師の診断書が必要でありそれがネックとなっているようです。連絡会後の意見交換会で福島県立医科大学の男女共同参画支援室である小宮ひろみ先生とお話しする機会があり、福島県立医科大学では病児保育担当の小児科医がいて利用前の診断から利用時に何かあった際の対応もしてくれているとのことでした。当センターでも多くの職員に利用して頂けるよう、何らか働きかけが必要であると考えました。和歌山県立医科大学のご発表の中で、9年間和歌山で働く地域医療枠を設けているそうですが、卒後3年目には男性は入学時の半分に減っているのに対して女性は数が減っていないのが印象的でした。女性医師の場合、復職後のサポートシステムが整っていれば、母校に在籍しやすいことの表れなのかもしれません。学会の取組みとして日本産婦人科学会からは産婦人科医は増加しているそうですが、病院勤務医師のなかで、増加したのは妊娠・育児中の女性医師のみという現状を知ることができました。当直翌日の勤務緩和も実施されておらず産婦人科医の過重労働が改善していない様です。日本耳鼻咽喉科学会からは学会の役員における女性医師の比率が10〜20%程度で意思決定の場に参画できている女性の割合は4%弱とのことでした。指定演者・座長に占める女性の比率も未だ少ないのが現状の様です。最後に女性のモチベーション、やる気、耳鼻科の楽しさを伝えることが大事とのことでしたが、これはどの科にも通じる事だと思いました。今回の会を通して学んだ他施設での工夫や取り組みを今後に生かしていければと考えております。

                  二輪草センター助教 菅野 恭子