ホーム > 主な活動> 日本心エコー図学会男女共同参画委員会企画セッション(平成25年4月)

「日本心エコー図学会男女共同参画委員会企画
                    セッション」

参加報告

2013年4月25日〜27日

ポスター

  日本心エコー図学会(2013年4月25~27日東京)の男女共同参画委員会企画セッション「ライフイベントを経験しつつ仕事を継続するために:現状と未来への展望」にて、「旭川医科大学さらには北海道における男女共同参画への取り組み」を発表してまいりました。  
セッションの最初に、男女共同参画委員会が現状・問題点を明らかにするために学会員を対象として行ったアンケート結果について、高野真澄委員長(福島県立医大)より報告がありました。印象的だったことは、仕事を継続できる環境を整備する必要性を感じているのが、決して女性だけではないという点です。「あなたの職場では、育児・介護が理由となり、勤務の継続が困難であると感じたことはありますか(ありましたか)。」の問いに「ある」が全体の30%を占めていましたが、男性医師の26%、男性技師の16%が「ある」と回答していました。また、「自分の、あるいは配偶者の妊娠・出産を契機に勤務体制や業務内容について変更しましたか。」の問いには、「同じ職場のまま勤務時間を減らした、勤務体系を変えた」が男性医師(n=129)の9%、男性技師(n=96)の4%、女性医師(n=55)の49%、女性技師(n=109)の18%、「勤務時間の短い職場に変わった」が各々1%、0%、22%、2%、「専門領域を変更した」が各々0%、0%、5%、4%、「退職した」が各々1%、5%、11%、5%でありました。アンケート結果の詳細は日本心エコー図学会HPの各種委員会から閲覧できます。
アメリカ心エコー図学会会長のPatricia A. Pellikka先生 (Mayo Medical School, Mayo Clinic)のご講演「あなたのキャリアに責任を持つこと:決して早すぎることも遅すぎることもない」は非常に魅力的なものでした。「自分にとって何が大事かは自分にしか答えることができない。」「あなたの人生は一つのものだけに基づいているわけではなく、バランスを見つけなくてはならない。」「幅広く手掛けるよりも、ある程度領域を限定することで、容易に進歩することができ、より短期間で専門家となることができる。」と、スマートかつエレガントに話されていました。
私は本学の二輪草センターの今までの活動実績と、その目指すものは女性医療人だけでなく、すべての医療従事者が安心して働くことができる環境づくりであることなどを紹介してまいりました。また、ライフイベントを経験しながら優れた医療・研究・教育活動を継続している、男女共同参画奨励賞の受賞者からの報告もなされました。今年より設けられた奨励賞は受賞者のみならず、男女共同参画の理念に基づいた活動を継続するための環境を整えている所属機関・システムも表彰・広報するものです。
セッションに出席し、ライフイベントを経験しつつも仕事を継続できることはもちろん、より高い専門性を維持し、皆がより満足できる人生を送れるようになることが望まれ、そのためには職場環境の整備と当事者本人の意識の高さの両者が必要であると思われました。

 報告者:臨床検査・輸血部 赤坂和美