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東京女子医大病児保育室「かとれあ」の見学報告

見学報告

2008年2月8日


東京女子医大女性医学研究支援室
リーダー 斎藤加代子先生

 2008年2月8日、東京女子医大の病児保育室「かとれあ」を見学してきました。この施設についてはホームページ(http://www.twmu.ac.jp/SCFMS/index.html)にも詳細な情報が載っていますので、今回見学をして初めて知ることができた事を中心に報告します。
 まず東京女子医大女性医学研究者支援室のリーダーである斉藤加代子先生から施設の開設と運営状況に関するお話を伺いました。先生は開設にあたり、全国的な病児保育の調査結果を参考にされました。(この貴重な資料は平成18年3月に日本女医会から発行された「働く女性のための育児環境整備支援事業 最終報告書」に掲載されています。)
 保育施設の職員は看護師1名、保育士2名です。看護師さんは長らく小児科勤務されていたベテランです。開設前には保育士の方にも他施設の見学や小児科での研修をうけていただき、病児のケアを学んでいただきました。開設後も看護師さんから吸入や坐薬の入れ方などを教わってスキルアップしているということです。
 これまで預かった子供の主な病気は上気道感染や喘息様気管支炎などで、最近の利用者数は25人/月程度です。施設の利用にはあらかじめ登録が必要で、現在約80名が登録されています。
 預かっている間に子供の様子が変わったときには女性医学研究者支援室からサポートをうけている女性医師が輪番制に職員からの相談にのり、保護者を呼んで小児科を受診させたり帰宅させたりすべきかを判断されています。
実際に施設を見学させていただくと、事務室とそこからガラス越しに様子をうかがうことのできる保育室の2部屋からなる思いのほか小規模なものでした。洗面所などは同じ建物の中にある院内保育所のものを兼用していました。
 責任者の斉藤先生は小児科の教授も兼任されており、毎日診療をし、午後7時まで遺伝子医療センターの仕事をした後、病児保育室の日報を点検し問題を解決しているということです。この施設や取り組みは斉藤先生の超人的な能力と自己犠牲のうえに成り立っているシステムとも思えました。新しいことを始めるにはいたしかたないことかもしれませんが、本学で同様の施設を立ち上げることができるかどうか、二輪草センターの今後の検討課題としていきたいと思いました。

報告者:副センター長 山本 明美


病児保育室の様子
事務室からガラス越しにのぞいたところ