ホーム > キャリア支援部門>キャリア教育>第16回医学生・研修医・女性医師の集い
旭川市医師会(担当:女性医師部会)・北海道医師会主催

「医学生・研修医・女性医師の集い」

終了報告

2019年11月6日(水)午後6時30分


旭川市医師会
会長 山下先生


女性医師部会
部会長 長谷部先生


森 かなえ先生


森 千恵先生

 令和元年11月6日に医学生・研修生・女性医師の集いが開催されました。今年度は「研修医生活ってどんなもの?」をテーマに4人の先生方にお話し頂きました。まずはじめは、市立旭川病院初期研修医の森かなえ先生で、将来法医学に進む予定とのことですが初期研修は手厚い指導がうけられ、コメディカルが優しい市立旭川病院を選択されました。どんなに良い選択肢でも後悔することがあるが、明らかにデメリットの多い選択肢でなければ何とかやっていけること、好きなものが意外とみつかるとお話しされました。ご自身は研修中、当直・救急外来が好きということに気づき将来的には救急科から法医学の道に進むつもりとのことでした。次にお話し頂きました旭川医療センター呼吸器内科の森千恵先生は女性医師の役割と強みについてお話し頂きました。女性でありながら医師として働く障壁として、体力不足、出産、育児のための休暇などたくさんありますが、女性医師は患者中心コミュニケーションが強みであることを具体的にお話しされました。しかし女性医師がミスを起こすと他の女性医師の評価も下がることや、まだ『女医』というくくりでみられているという現実についても指摘されていました。自分を守り、自己実現にむけて気をつける点として遅刻をしない、挨拶をきちんとするなどの基本的な社会的ルールを守ること、与えられた仕事を素早くこなし必ず『ホウレンソウ』を行う点についてアドバイスされました。3番目は旭川厚生病院小児科の山木ゆかり先生で、仕事と子育てをどのように両立されているかについてお話して下さりました。お子さんが1歳になるまでは育児時短制度を利用し1歳からフルタイムで勤務、月2回の日直をされていました。1歳4ヶ月になってからは月2回の当直もされているとのことでした。仕事の時間がもう少しほしいと思うことがあるそうですが、上級医・後輩の先生方の協力に支えられ日々充実しているそうです。1年間の育児休暇はとても貴重な時間で、日々の診療につながっているそうです。仕事も子育ても100%の状態でこなすことは難しいですが限界を知ること、周囲に感謝すること、働き続けること、子供との時間を大切にしていることをお話しされていました。4番目は旭川赤十字病院形成外科の堀越久子先生で、学位を取得後ご主人の留学に伴い2年間のアメリカ生活をおくられ帰国後現職に就かれているとのことです。日本の女性医師の割合は20%と先進国で世界最下位ですが、アメリカでは2017年の医学部入学者は女性が男性を上回ったそうです。アメリカの女性医師事情としてレジデント中に一人目を出産し産後12週でキャリアのため復帰し、ベビーシッターやデイケアや保育園を利用しているそうです。女性医師が働きやすい環境は男性も働きやすい環境であること、次世代の後輩にバトンをつなぐこと、子育ては未来を担う人を育てること、自分が置かれた所で精一杯やること、感謝と次につなげていく気持ちをもって地道に前に進むことが未来につながるとお話しされました。今回は医師14名、学生が34名でしたが、より多くの学生に聞いて頂きたい内容でした。早い時期にロールモデルの体験談を聞くことは今後の自分自身の働き方や生き方の参考になると思いますのでふるってご参加下さい。最後になりましたが、主催頂きました旭川市医師会および北海道医師会にこの場を借りてお礼を申し上げます。またお忙しい中ご講演頂きました先生方にも深謝致します。

                  二輪草センター助教 菅野 恭子



   
  山木 ゆかり先生   堀越 久子先生
             
           山本センター長    講演会の様子