令和元年度
  「訪問看護ステーション看護師のための
                生涯学習支援研修」

終了報告

令和元年8月23日(金)・26日(月)2日間




研修会の様子

 この研修は、地域貢献の一環として平成25年から開始し今年度で7年目となります。訪問看護に必要な知識・技術の再学習の支援を目的としています。
在宅看護の重要性が高まる中、より重症・重篤な患者さんを在宅で看る機会も増えている現状があります。そこで昨年に引き続き、フィジカルアセスメントを取り上げました。
8月23日、26日の2日間の日程で開催し、17施設から34人の参加申し込みがありました。訪問看護経験年数は平均7年で、5年未満が半数以上を占めていますが、看護師経験は平均約24年と経験豊富な方たちの参加でした。
1日目は、「症状・徴候からのアセスメントT〜その症状、経過観察で大丈夫?〜」とのテーマで、救急医学講座准教授の岡田基先生の講義でした。在宅医療成功のカギとして心不全・感染症の早期発見・治療と栄養状態の把握・改善が重要であることをご自身の経験とデータから説明がありました。訪問看護の「武器」である血圧計やパルスオキシメーター、聴診器などの活用とアセスメントの視点が理解でき、実践に活用できる知識になりました。在宅患者の状態悪化を見逃さないためには、起こりうるリスクを見据えた診察と介護力がポイントになります。今後の治療・療養について患者・家族と医療従事者が常に話し合い、病診連携を行っていくことが大切であることを強調されていました。参加者からは「わかりやすく勉強になった」「今まで行った看護が正しいと再認識できた」「アセスメントの裏付けの自信になった」との声がありました。
2日目は、「症状・徴候からのアセスメントU〜症状・主訴から看護につなげる〜」とのテーマで急性・重症患者看護専門看護師の酒井周平さんの講義でした。臨床推論・臨床判断の考え方を示され、実践での考え方を理論的に補完していただきました。グループワークでは、提示されたケースでフィジカルアセスメントをもとに、どう判断してケアにつなげるかを話し合いました。短い時間の中でもアセスメントの視点、判断が生かされていたように思います。ケースをもとに話し合うことで、よりイメージしやすく「ケースのような患者さんとのかかわりがあるので、非常に参考になった」という意見も聞かれました。
 研修は日常業務が終了してからの時間帯で、遠方から参加された方もいらっしゃいました。研修者の受講の姿勢からも、訪問看護ステーションの皆さんの学習意欲と熱心さには、頭の下がる思いでした。循環器以外のアセスメントについても話を聴きたいという希望もあり、今後も期待に応えられる研修を企画していきたいと考えています。


           看護職キャリア支援職場適応支援担当 尾形 千悦