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TEL. 0166-69-3538

〒078-8510 北海道旭川市緑が丘東2条1丁目1−1

業務紹介 WORKS

 実際に、当院の臨床工学技士(CE)がどのような業務を行っているかを紹介します。主な業務は「血液浄化業務」「人工心肺・補助循環業務」「高気圧酸素治療」「ME機器管理業務」「カテーテル検査室業務」「手術室業務」等があります。当院には12名の臨床工学技士が在籍しており、ローテーションを組みながら各業務を行っています。院内でも臨床工学技士のニーズが、未だに多くあるのが現状で、今後も業務内容が増えていくことと思います。


 「血液浄化業務」

 血液浄化療法とは、血液を体外に導き出し、吸着・濾過・透析などの原理を利用して、患者血液中の病因物質を除去する治療法です。その血液浄化療法には多様なものがあり、その疾患、病態に合わせて選択しています。その中で実際に治療として多くおこなっているのは、腎不全患者に対する血液透析です。血液透析は、血液浄化療法の中でも古くから臨床にとりいれられたもので、多くの血液浄化療法の基本といえます。
 当院には、6床の透析室があります。入院中の患者さまで血液浄化療法が必要な場合、病棟から透析室に移動し、治療を行います。また、病棟から移動が困難な場合には、病棟に装置を運んで病室で血液浄化を行うこともできます。透析室で行うのは主に血液透析で、そのほかにも血漿交換や血漿吸着、二重濾過血漿交換などの治療もおこなっており、装置の準備、操作などをCEが行っています。


 「人工心肺・補助循環業務」

 人工心肺とは、心臓の代わりをするポンプ、肺の代わりをする人工肺、体内の血液量を調整するリザーバー、血液内の血栓や気泡をトラップするフィルタなどで構成されており、心臓・肺の動きを代替する装置のことです。心臓や大血管の手術で、一時的に心臓を止めなくてはならないときなどに使用し、その操作、管理をCEが行います。心臓と肺の代替を行っているので、小さなミスでも患者さまの命に関わります。そのため、様々なモニタを用いて安全に操作ができるように努めています。

 主に手術で使用する人工心肺とは別に、補助循環というものもあります。補助循環とは、心臓または肺の動きが弱っているときに、それらの働きの補助を行い、心臓または肺の動きの一部をサポートするものです。IABP、PCPSまたはECMOと言われるもので、主に急激に進行する循環不全(心筋梗塞や肺梗塞など)や心肺蘇生に対し行われます。人工心肺と同様に機器の準備・操作・管理をCEが行います。一刻を争う緊急性が高い場合が多く、


 IABP(Intra Aortic Baloon Pumping) 大動脈内バルーンパンピングといい、大動脈内にバルーンを入れて、心臓の動きに合わせて拡張と収縮を繰り返す装置です。それにより心臓に送る血液量を増やしたり、心臓の動きを助けたりします。
 PCPS(Percutaneous CardioPulmonary Support)〜 経皮的に心肺補助補助をする装置のことで、主に循環不全や心肺蘇生に使用します。人工肺、ポンプ、チューブ、送血管、脱血管で構成されており、心臓と肺の機能の補助を行います。IABPに比べて補助効果が強い半面、侵襲も大きくなります。
 ECMO(Extra Corporeal Membrane Oxygenation)〜 構成はPCPSと同じですが、呼吸補助に使用します。自分自身の肺で体の酸素量を補えない時に、機械で血液の酸素化をサポートします。

 「高気圧酸素治療」

 高気圧酸素治療法(Hyperbaric Oxygen Therapy:HBO)は治療用の大きなタンクのような部屋に入って、部屋の中を空気もしくは酸素で加圧し、高気圧環境とします。そこで高濃度の酸素を吸入し、病態の改善を図る治療です。高気圧環境下で生体に加えられる圧力の物理的な作用と、血液内に増える酸素による作用の二つの効果を期待する治療法です。その装置の操作などをCEが行います。
 当院では、HBOが必要となった患者さまに対し、治療日当日の午前中にテスト加圧(療の説明と本番前練習)を行います。高気圧酸素室まで来ていただき、まずは治療の流れや治療に対する注意点などを説明します。そして実際に患者さまと一緒に、担当の臨床工学技士が高気圧酸素室に入り、1.3気圧まで加圧させて、治療の体験を行います。そこで「耳抜き」が出来るかどうかの判断をします。練習ですので説明を含め15分程度で終了します。
テスト加圧で問題がなければ、午後から実際の治療を行います。実際の治療は全工程86分、気圧は2気圧まで上昇させます。
 〜治療の流れ〜
「入室前のボディチェック」→「入室して酸素マスクでの酸素吸入開始」→「高気圧室内の加圧開始(11分)」→「2気圧で維持(60分)」→「高気圧室内の減圧(15分)」→「1気圧となり退室」

 特殊な環境での治療ですので、患者さまが治療に対する不安を持たないよう、また、安全に治療工程が進むように努めています。

 「ME機器管理業務」

 ME機器管理業務は、医療機器の中央管理化を行う業務です。病棟で使用する、シリンジポンプや輸液ポンプなどの病棟への貸出、点検から、修理までを3階にある「CEセンター」という場所で行っています。病院内の医療機器を中央管理とすることで、病院内に動かないで眠っている無駄な医療機器を減らすことができ、また定期的な点検を行うことで、安全性の高い医療を提供することにつながります。
 当部門ではデータベースソフトを使用して、ME機器管理の中央管理を行っています。それにより、機器の貸し出し、返却の管理が容易にでき、適切な機器管理ができるように努めています。


 「カテーテル検査室業務」

 血管造影室は、心臓や血管などに異常が無いかをX線装置を使用して検査する場所です。そして、心臓の血管が狭くなっていた場合には、それを広げる治療を行います。そこでのCEの業務は、心電図や血圧などのバイタルサインのモニタ、記録を行ったり、心臓の血管の評価を行う血管内エコー、OCTを使用したり、治療に使用する各種デバイスを準備したりします。
 また、アブレーションという不整脈の治療も行います。心臓は電気信号により、収縮と拡張を繰り返して常に動いていますが、その心臓内の電気の通り道に異常があると電気が通常より頻回に流れてしまい、動機がしたり倦怠感が出たりといった症状がでてきます。そういった異常の電気の通り道を電気で焼き、通常の電気の通り道だけにして不整脈を防止する治療です。


 「手術室業務」

 当院手術室には、11室の手術室があり、年間約7000件の手術を行っています。その多くの手術は、様々な医療機器によって支えられています。手術室内での臨床工学技士の業務は、朝手術前に、各手術室の生体情報モニタ、無影灯、手術台などを点検して回り、安全に手術ができる環境が整っているかどうかを、技士の目線からチェックするところから始まります。
 朝の点検の後は、手術ごとに必要な機器があれば、その準備を行います。特に臨床工学技士が準備などを行うのは、内視鏡手術で使用するカメラ装置やモニタ、超音波手術装置、レーザー手術装置、顕微鏡などです。また、手術が始まってからも、医療機器に関するトラブルの対応にあたります。手術室の様々な機器トラブルの初期対応を行うことが多く、手術室内の様々な機器、設備など多くの知識を必要とします。


 「ペースメーカー・ICD業務」

ペースメーカ

 上記にも記載されていますが、心臓は電気信号により収縮と拡張を繰り返して常に動いています。しかし、何らかの原因で通常の電気の通り道が弱ってしまい、電気が伝わらなくなるため、心臓が正常に動かなくなることがあります。そうした時に、心臓の電気信号を一定に保つために、体の中にペースメーカという電気信号を出す装置を埋め込むことで、心臓の動きを保つという治療を行います。

ICD

 ペースメーカと同じ機能に加えて除細動器の機能が付いたものがICDです。除細動とは、心臓内の電気信号がばらばらになっていしまい、一定に心臓が動けなくなってしまう不整脈の治療をおこなうものです。強い電気信号を流すことで、ばらばらだった電気信号を正常に戻します。
 CEはペースメーカ、ICDを埋め込む際の医師の補助などを行ったり、埋め込んだ後の定期的なチェックを外来で行ったりしています。


 「ICU・NICU業務」

ICU(集中治療室)

 重症の患者さまが治療を受ける集中治療室では、多くの医療機器が存在しており、それらにより治療が支えられています。そこでは人工呼吸器の点検や、腎臓などが悪い患者に対する血液浄化療法の実施、心臓の機能が悪い患者に対する補助循環実施のサポートをします。

NICU(新生児特定集中治療室)

 生まれたばかりの子供で、高度な治療が必要な場合は、NICUで集中治療を受けることになります。ICUと同じように重要な医療機器が多いため、毎日CEが点検に行き、使用している医療機器(主に保育器や人工呼吸器)に異常が無いことを確認しています。



バナースペース




























































































































































旭川医科大学病院
   診療技術部 臨床工学技術部門

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