前号でモチーフとした「小惑星や隕石群の地球への衝突」によるエネルギーは、熱エネルギーとなって地球そのものを加熱し岩石を溶かし始め、それがやがてマグマオーシャンと呼ばれる、マグマの海となりました。密度の高い物質は地球中心部に集まり、地球の核(コア)となっていきました。それから時を経て、隕石等の衝突もおさまり地球全体の温度が下がり始めた頃、上空数百キロメートルで地球を覆っていた大量の水蒸気が凝結し、「最初の雨」となりました。その後、数百年から千年たらずで海ができあがりました。

(http://contest.thinkquest.jp/tqj1998/10098/noframe/1.html 参照)

 最初の生命は約40億年前、地球誕生から6億年たった頃の海中で誕生したと考えられています。材料となった基本的物質は原始大気中の成分:メタン、アンモニア、二酸化炭素などの無機物でした。これらにエネルギー(太陽光、雷の放電、放射線や熱、紫外線等)が加わることによって、生命の素材(アミノ酸、核酸塩基、糖や炭水化物などの有機物)が作られたのです。反応が起った場所としては、エネルギーが十分に与えられたと考えられる「海底熱水噴出孔」や隕石の落下地点などが注目されています。こうしてできた生命物質は雨によって原始の海に溶け込み、その中でこれらの物質が反応しあうことによって、初めての生物は生まれたのではないかと推定されています。

( http://contest.thinkquest.jp/tqj1998/10098/noframe/2.html 参照)

 そして、その「海底熱水噴出孔」を見つめていると、地中深く閉じこめられていたマグマと共に、初めて地球上に生まれた生命体(講座名群)が水蒸気の泡とともに、ゆらゆらと、光を帯びながら湧き上がってくるのでした。

旭川医科大学 研究フォーラム Vol.8 No.1