太陽系の誕生です。実物とは少し趣を変え、惑星の名前から連想されるイメージにしてみました。淡いブルーの水星、七色にきらめくシャボン玉のような金星、地球、赤みを帯びた火星、節目のある木星、岩石でできた土星。(紙面の都合上、第6惑星まで)
これら惑星と太陽との間に働いている引力として、講座名をリング状にしてみました。各惑星が微妙な均衡を保ちながら太陽の周りを公転しています。
しかし、釣り合っているはずなのに、シャボンは上向きに、岩石には下向きに力がかかっているような居心地の悪さを感じるのは私だけでしょうか。
 銀河系中心から2万8000光年離れたところに私達の太陽系が誕生したのが、46億年前と推測されています。太陽系はその生成過程において、系全体質量の99.8%を占める太陽の引力により、9つの惑星と小惑星帯を従えるようになりました。これらの惑星群は太陽に近い内側より、硬い地殻を持つ地球型惑星グループ(水星、金星、地球、火星)、ガス状惑星グループ(木星、土星、天王星、海王星)と氷でできている冥王星のグループの順に配置されています。どのような組成の惑星がどの位置に配置されるかはすべて引力(重力)という法則が支配していると言えるかもしれません。
 そんなことを思いながら、表紙を上下逆さまにして眺め何かしらほっとするとき、地球という天体の重力から逃れられない自分を感じるのでした。

旭川医科大学 研究フォーラム Vol.3 No.1