今号のテーマは、「交換経済」です。今日、クレジットカードあるいは携帯電話を使用してのOnline Shoppingが当たり前の時代になっています。国内のみならず外国のあらゆる商品を購入することができます。上段の図は、それを表しています。
 時をさかのぼるとそこに現れるのは貨幣です。その希少価値故に「金:gold」が貨幣の初めと言われます。しかも金は時間的経過を経ても物理的に変容しない物質であり、「売り手」「買い手」の共通認識に基づき、それ故に売買が成立していきます。
中段では、サーモンを相応の値の「金:gold」で買い取ろうとしています。(Money Shopping)
 さらに遡ると、自給自足だけでは不足する生活の中、「自分の持つ物」と「相手の持つ物」とがある条件の元に交換される、いわゆる「物々交換:Barter Trade」が成立してきたであろう事は、想像に難くありません。表紙下段では、山の羊と海の蟹が交換されようとしています。
 こうしてみてくると、この三様の中に共通して見えてくるものがあるように感じます。私の頭に浮かんだ言葉は「信用」です。
「相手に対する信用」があるからこそ、売買が成立します。この「信用」とは、一朝一夕にできるものではなく、双方の納得のいく確かな「売買の実績」に基づくものと考えられます。

 そして、現代社会に唐突に現れてきた「仮想通貨」なるものは、この「信用」に足りえるものなのか、これからの人類が証明してくれることを「信用」したいと思います。