人類が直立二足歩行することによって自由になった手を使い(あるいは道具や武器を前足で持つようになって二足歩行が出来るようになり)、道具を手に入れ、自然そのままの生活から、自然に働きかけて生活をするようになりました。道具には自然の石や木などが使われたでしょう。人類が造った道具として最初に登場するのは打製石器であり、動物を解体したり、木を削ったり、また石器を使って石器を造ったりする「道具を造る道具」として用いられたようです。石器製造は人類の「第一の技術革命」であったと言えるかもしれません。また、人類を他の動物から区別する上で重要な要素が、火の使用と言語の使用であったかと思います。考古学または人類学上、火の使用が確認されるのは、約50万年前の北京原人であったと言われています(諸説あり)。火の使用によって、人間の食生活は豊かになり、暖をとったり、動物から身を守ったりする上で、大きな進歩であり、石器に次ぐ「第二の技術革命」と言えましょう。

 また、人類が言語能力を獲得したのは、頭蓋骨の変化などから、一時ネアンデルタール人であろうと推定されていたようですが、その頭蓋骨の構造を分析すると前頭葉の発達は未熟であるらしく。また音声を発する、のどの構造も、ネアンデルタール人までは声帯の位置が現代人に比べて高く、複雑な発声は出来なかったと考えられています。複雑な分節化した言葉を発することが出来るようになるのは、やはり新人(現生人類、ホモ=サピエンス)になってからのようです。

(参照URL: http://www.y-history.net/appendix/wh0100-02.html)

 古代人とおぼしき男性は、石器や弓矢などを駆使して捕ってきた獲物を火で焼き、家族の命を繋いでいきます。女性は産まれたばかりの乳飲み子を、胸にあてがいその成長を祈ります。この二人の男女の間には、意思疎通を図るための「言葉」があったと思われます。 自分たちを取り巻く動植物、そして弱肉強食という自然界の暗黙ルールの中での、現生人類(ホモ=サピエンス)の生活が営まれていきます。その先、人類はどのような【道具】を作り、その命を次世代に繋げて行くのでしょうか。