いよいよ、ヒト:ホモ・サピエンスの登場です。ヒト(人類)の祖先が、チンパンジー・ボノボの祖先と別れたのは、700〜800万年前頃と言われています (東大総合研究博物館:2016)。では、ヒトとはなにか? 外形的には、脳が大きい(体重比)、二足歩行ができる。犬歯が発達していない。また、他の特徴としては、火を使用する、複雑な言語を話し他者とコミュニケーションができる、などがあります。では、何故そのような発達が可能となったのでしょうか。人類が誕生したアフリカの乾燥化に伴い、森林の縮小、サバンナの拡大等の環境変化に適応していく中で進化してきたとの説が有力です。

 また、人類進化の大きな流れとしては、猿人(アウルソラロピテクス)、→ 原人(ホモ・エレクトス:直立歩行するヒト)、→ 旧人(ホモ・ネアンデルターレンシスなど)、→ 新人(ホモ・サピエンス:考えるヒト)であろうと言われています。「人類は、どこで生まれたのか?」の問には、「母方からしか受け継がれない細胞内のミトコンドリアの突然変異を解析する手法」を用いることによって、どの系統とどの系統が近いか、またいつ頃分岐したかといった調査が可能になったようです。それによると、現生人類の祖先は約16万年前(14万年前〜29万年前)にアフリカに住んでいたらしいことがわかり、この人類共通の祖先はイヴ(ミトコンドリア・イヴ)と名付けられました。 (参照URL: http://www.s-yamaga.jp/nanimono/seimei/jinrui-01.htm)

 そのような思いを抱きながら表紙に目をやると、

137億年前とも言われている、遥か昔のビッグバンからみると、極く直近に誕生した人類の、祖先から次の世代、また次の世代へと繋がれてきた、生命(DNA)のバトンは、しっかりとその眩いばかりの光彩を放っています。さて、この光の次には、何が待ち構えているのでしょうか? 満天に広がる milky way (天の川)を仰ぎながら、しばし想いを巡らすのも私たち:ホモ・サピエンスに許されたひと時かもしれません。