2011年12月5日、NASAは600光年先に太陽に似た恒星を周回する、地球とよく似た惑星の存在を確認したと発表しました。生命が存在するのに最適な位置だということです。自分たちと同じような生命体がどこかに存在しているかもしれないと想像するとき、鼓動の高鳴りと同時に強いロマンをかき立てられます。
 生命が誕生し、進化していく過程で重要な要素として、大気や水の存在と共にその適度な温度も重要視されています。これまで、地球の温度の変遷は、誕生時のマグマオーシャンに代表されるような高温な状態から、幾度かの氷河期と間氷期を経て、次第に現在の温度に至ったと考えられてきました。
 しかし、1990年代に入って全球凍結(スノーボールアース:赤道付近も含め、地球全体が完全に氷床や海氷に覆われた状態)という仮説が発表され、その後それを裏付ける証拠が発見されることによって、この「全球凍結」説は大きな反響を呼びました。この数度の「全球凍結」は、その都度、原生生物の大量絶滅とそれに続く跳躍的な生物進化、例えば、酸素呼吸をする生命の誕生や多細胞生物の出現と密接に関係しているのではないかと考えられるようになりました。(Wikipedia 参照)

 今号は、正に赤道付近まで氷床・海氷が押し寄せて全球凍結となり、全ての生命体が氷中深く閉じ込められようとしているカタストロフィックな状態を描いてみました。多くの生命体にとっては絶望的に見える状況ですが、しかし、講座名群はその後必ずや訪れるであろう、新しい生命の誕生・進化を予知しているかのように地球の周りを回り続けているのです。